深まる欧州移民問題、ハンガリーが主要駅を閉鎖

ブダペスト主要駅前で切符をかざす移民だち(1日) Image copyright Reuters
Image caption ブダペスト主要駅前で切符をかざす移民たち(1日)

欧州の移民問題が今夏、深刻さを増している。ハンガリーの首都ブダペストの主要駅では、警察によって閉鎖された建物の外で何百人もの移民希望者が行き場を失っている。同国の政府スポークスマンは警察の措置について、欧州連合(EU)法に沿ったものだと説明。移民問題に対応するEUの制度の限界を浮き彫りにしている。

戦火や迫害を逃れるため多くの人々が欧州北部を目指している。EU各国は解決策を急ぐ中、協議を進めている。

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90秒解説 移民が押し寄せるEU、受け入れの仕組みは

EUでは、いわゆるダブリン協定の下で、難民が最初に欧州に足を踏み入れた国で受け入れ申請を行うことになっているが、イタリアやギリシャなどは数の多さに対応できないとしており、移民の多くはさらに北の諸国を目指している。

ハンガリーは先月31日、ブダペスト東駅で大量の移民たちがオーストリアやドイツ南部に向かう列車に乗車することを止めず、ハンガリー国内で移民申請の受理をあきらめたかにみえた。しかし今月1日には、警察が駅を閉鎖し、約千人の移民が建物外で足止めさせられている。

その後、移民以外の利用者が駅に入ることが認められたが、移民を締め出すために多くの警察が残り、締め出された群衆は「ドイツ、ドイツ」と唱え、切符をかざして抗議した。

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Image caption ブダペスト東駅近くで足止めされた移民

解説クリス・モリス、欧州特派員

EUには難民受け入れについて統一された制度があるが、現在は空文化している。いまハンガリーを経由してドイツを目指している多くの移民は最初ギリシャに到着しているとみられるが、いったんEUを出て、マケドニアやセルビアを通過し、ハンガリーで再度EUに入っている。ハンガリー政府はEU法を順守しようとしていると言うが、移民が同国に留まるのを望んでいないのは明らかだ。

言い換えれば、現行制度は崩壊寸前で改革が必要になっている。現在検討されている案の大方、例えば、難民受け入れ数を欧州各国で公平に分け合うことや、ギリシャやイタリアで行われている移民の登録作業への支援、難民申請者を母国に戻すための、より実効性のある措置などは、EU首脳らも合意している。

しかし、これらの新たな対策は、まだ実施されておらず、事態の変化が先行している状況だ。


「移民危機」 過去10日を振り返る

8月21日―ギリシャからマケドニアに入国しようとする移民が国境のフェンスに殺到。

 27日―リビア沖で約500人の移民を乗せた船2隻が沈没。国際連合によると、地中海を渡ろうとした人が今年すでに30万人以上に上っている。

 28日―オーストリアの高速道路に乗り捨てられたトラックの保冷車内で、移民とみられる子ども4人を含む71人の遺体を発見。

9月1日―ドイツ南部のミュンヘンに大勢の移民が鉄道で到着。これに先立ち、ハンガリーは移民の受付けを一時放棄している。