中国海軍艦5隻がアラスカ沖に 米国防総省

Chinese missile frigate, the Yancheng, sailing in a undisclosed location in undated photo Image copyright Getty Images
Image caption 中国人民解放軍海軍のミサイル搭載フリゲート艦(資料写真)

米国防総省は2日、アラスカ沖のベーリング海の公海上を、中国人民解放軍海軍の艦船5隻が航行しているのを確認したと明らかにした。この海域で中国軍艦の航行を確認するのは初めてという。

国防総省は5隻の行動を監視しているが、航行は公海上に留まっているという。

中国政府は近年、日本や東南アジア各国と海上領有権紛争においてより強気の姿勢を示している。

「脅威となる動きではない」

国防総省のアーバン報道官はBBCに対して、「人民解放軍海軍の艦艇5隻がベーリング海を航行中と認識している。同軍の艦艇がベーリング海にいるのを確認するのは初めてだ」と話した。「国際法に基づき公海上で軍艦を航行させる自由がすべての国にあり、我々はその自由を尊重する」と報道官は説明している。

アラスカは現在、オバマ大統領が3日間の日程で訪問中。気候変動問題に対する国民の関心を喚起するのが狙いだ。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米国防当局がアリューシャン列島へ向かう中国の戦闘艦3隻と補給艦、輸送艦を発見したと報道していた。アリューシャン列島の大部分はアラスカ州の一部だが、一部はロシア領。

同紙に対して別の国防総省筋は、中国軍艦の活動は「脅威となる動きは何もない」と話している。

米海軍大学中国海事研究所のピーター・ダットン所長はBBCに対して、中国軍艦の活動範囲の拡大を意味すると指摘。

「しかし中国がこれまでユーラシアでの存在感を拡大し続けてきたことを思えば、決して意外な展開ではない。地中海や日本海では、ロシアと合同演習を重ねてきた。中国にとって北方海路の開拓は関心事なので、アラスカ沖で見かけたと言うことは活動範囲拡大の次の一歩なのだろう」

海洋での影響力拡大を

新米安全保障センターのパトリック・クローニン氏も同意見だ。「中国は6年前から海洋での影響力拡大を図ってきており、今回の動きもその一環と言える」。

中国は自国利益に有利となるよう国際海洋法の修正を望んでおり、その傾向は領有権で複数の国が紛糾している南シナ海で特に顕著だとクローニン氏は付け足した。

中国は今年に入り、軍備刷新のため国防費を増強。ステルス戦闘機や衛星攻撃兵器などの強化を図っているため、アメリカおよびアジア太平洋地域におけるアメリカの同盟各国をやきもきさせている。

中国の習近平主席は3日、「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」を記念し、前例のない規模の軍事パレードを北京で主催する。

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