BBC組織改編で北朝鮮向け初のラジオ放送を計画

Tony Hall
Image caption BBCのトニー・ホール会長は、BBCの組織改編について方針を発表(7日)

受信料収入減少のなかで組織改革案を策定しているBBCは、外国語放送の拡大を検討していると明らかにした。北朝鮮向けの初のラジオ放送などを提案する方針。BBCのトニー・ホール会長が7日、改革案を発表した。

BBCの公共放送としての業務目的や内容と運営方法は、国王の特許状(ロイヤル・チャーター)に明記される。この特許状の更新を来年に控えて、BBCは政府と業務や組織の見直しについて協議を重ねている。

業務見直しの一環としてラジオ放送の拡大のほか、子供向けのオンデマンドビデオサービスや、英国内各地の地方紙と提携する記者グループの開始も検討中だ。

開かれたBBC

英政府は今年7月、BBCのロイヤル・チャーター更新について協議を開始するにあたり、BBCの「規模や展望」について「厳しい質問を重ねていく」と表明。その協議の一環としてBBCは自らの改革案を策定。その中には以下の提案が含まれる――。

  • 英国各地の自治体や公共サービスについて中立的報道をする記者グループを発足させ、その取材内容はBBCだけでなく地方メディアも使えるようにする
  • データ・ジャーナリズムの中核となるハブを主要大学と提携して設置し、BBCの報道ノウハウを地方メディアに提供する
  • BBC番組のオンデマンドサービス「iPlayer」の子供向けバージョン「iPlay」を開始。テレビ番組だけでなくブログやポッドキャスト、ゲーム、教育ツールなども提供する
  • ロシア語話者向けの衛星テレビ放送開始、あるいはYouTubeやそのロシア版Rutubeでの動画提供を拡大
  • 北朝鮮向けに短波ラジオで毎日のニュースを放送
  • アラビア語放送は北アフリカと中東の地域ニュース報道を拡充
  • エチオピアとエリトリア向けの中波と短波放送ニュースを開始

ほかの新事業として、テート美術館やロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、科学博物館など外部団体と提携した番組作りなどが検討されている。ホール会長は科学博物館からBBC改革案を発表し、英国内の地方メディアと取材提携したり、芸術・科学団体と提携するなどして「インターネット時代の開かれたBBC」になると述べた。また高品質のドラマ製作に力を入れ、作家や演出家などにほかにない自由な創作活動の場を提供する「イギリスの創造性のプラットホームになる」と意欲を示した。

一方で、政府が75歳以上のテレビ視聴ライセンス料(受信料に相当)計6億ポンド(約1000億円)をBBCが負担するよう求めるなど、事業費削減に伴う組織縮小が迫られている。会長はその詳細については明らかにしなかったが、全体の予算をさらに2割削減する必要があるため、一部の事業内容の打ち切りや縮小を余儀なくされると述べた。

Image caption テレビライセンス料(受信料)の使われ方

かつては外務省予算で賄われていたワールド・サービス(外国語放送)の費用は、昨年からBBCが負担するようになっているが、新たな事業拡充については公的資金を政府に求めていくことが予想される。

ワールド・サービスの拡大は、英国での放送に力を入れているアルジャジーラや中国のCCTV、ロシアのRTなど他国政府の支援を受ける放送局との競争激化の中で必要とされており、BBCが今年発表した報道の将来に関する報告書の中でも、「世界各地で表現の自由が拡大するどころか縮小している。そうした地域の人々に、BBCワールド・サービスが独立して信頼のおける情報を提供する必要性は高まっている」との指摘があった。

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