【移民危機】EUが新たな対策を発表 クオータ制導入を提案

マケドニアにある難民キャンプで Image copyright AP
Image caption マケドニアにある難民キャンプで

深刻化する移民危機を受け、欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長は9日、新たな対応策を発表し、12万人の難民を欧州連合(EU)加盟国に義務的に割り当てる「クオータ制」の導入を提案した。

欧州議会で演説したユンケル委員長は、今回の案が移民問題への「早急で確固とした、総括的な」対応になると述べた。

ここ数日間で、ドイツなど欧州の北方を目指して移動する、主にシリア人からなる移民が数千人に上るなかで、今回の対策が発表された。ユンケル議長は欧州議会に対し「ひるむ時ではない」と述べた。

ユンケル氏の演説に対し、英国選出のナイジェル・ファラージ欧州議会議員がやじを飛ばす場面もあったが、ユンケル氏は「とるに足らない」と応じた。

クオータ制は、移住先としての希望が多いドイツが支持しているが、一部のEU加盟国が反対している。

欧州を北上する移民たちの主要ルート上に位置するハンガリーでは、来週末までにさらに4万人が入国するとみられている。

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Jeremy Bowen reports from an area of Syria that has been devastated by war, and deserted by families

<BBCのジェレミー・ボーエン記者がシリア内戦で破壊され、住民が避難した地域からリポートする>

一方、オーストラリアでは同日、難民支援への圧力が高まるなか、シリア難民の受け入れを増加する対策を発表している。

ユンケル議長が今回発表した対策の概要は以下の通り。

  • 5月に設定された4万人の移民受け入れの割り当てに加えて12万人の追加割り当てをEU加盟国が受け入れる(5月提案時では3万2000人のみについて合意できている)
  • 「将来の危機的状況へ早急に対応できる」よう、恒久的な受け入れシステムを導入
  • EUの統一的な難民制度の強化へ努力
  • 難民認定希望者が最初に入国した加盟国で申請するという、いわゆる「ダブリン協定」の見直し

ポーランドのエバ・コパチ首相は8日、すでに表明している2000人を超える数の移民を受け入れる用意があるとして、これまでの態度を軟化させた。

一方、ハンガリ―では、隣国セルビアからの移民を阻止するため国境フェンスを増強しており、難民申請に関する法律を厳格化している。

ドイツはシリア移民を歓迎しており、EUの現行規制を停止させ、今年だけでも難民80万人の受け入れを表明している。

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シリア難民を食い物に 密入国業者を潜伏取材
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Image caption ドイツ北部のツェレに到着した移民の子どもたち(8日)

いまの対応は「機能不全」

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Image caption 移民たちを転ばせたと非難されたハンガリーの女性カメラマンは解雇された(同国南部で、8日)
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90秒解説 移民が押し寄せるEU、受け入れの仕組みは

国連難民高等弁務官のアントニオ・グテレス氏は、EUの難民への対応が「機能不全」に陥っていると非難している。グテレス氏は「深刻な危機であるのは明白だが、私の見方では、欧州がきちんと組織的に対応していれば、管理可能な危機だ。人口5億800万人の地域で毎日4、5千人受け入れるという話だ」と述べた。

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