【移民危機】EU目指す移民たちクロアチアに ハンガリー国境封鎖で

A group of migrants rest on the Serbian side of the border near Sid, 16 September 2015. Image copyright Reuters
Image caption セルビアからハンガリーへ入る国境がハンガリー側で封鎖されたため、移民たちはクロアチアへ。クロアチア国境に近いセルビア・シドで(16日)

ハンガリーがセルビアとの国境を前日フェンスで封鎖したため、欧州連合(EU)に入る別のルートを求める移民の第一陣が16日早朝、クロアチア入りした。

約40人の一行は16日早朝、クロアチア国境に近いセルビアの町シドにバスで到着。マケドニア国境に近いセルビア南部の町プレシェボから移動してきた。

モーリタニア出身という35歳のアマドゥーさんはAFP通信に対して「ハンガリーは閉鎖されたというので、警察にこっちに来るように言われた。どうしたらいいのかわからない。船に乗らなきゃならないんだろうか?」と話した。

クロアチアの地元メディアによると、移民たちの第一陣は警察がトバルニクの町で入国の登録をしているという。

クロアチアのミラノビッチ首相は、移民を「受け入れ、望む行先へ案内する用意がある」と述べ、自国通過を認めた。

ハンガリーは国境封鎖

ハンガリー政府は15日、セルビア国境からの不法越境を厳しく取り締まる新法を施行し、国境にフェンスを設置した。また非常事態を宣言し、兵士や警官数百人を配置。EU域内で自由移動が可能なシェンゲン地域に入ろうとする移民数万人が拠点としていたロシュケ近くの鉄道交差ポイントを封鎖した。不法入国で逮捕した移民は367人に上るという。

このため立ち往生した数百人の移民はフェンスの外でにわか仕立てのテントなどを設置し野宿。たき火をするために木の枝を集める人たちもいた。

16日にはセルビア国境に近いホルゴスの村で、国境の開放を要求する移民の集団にハンガリーの機動隊が放水砲と催涙ガスを使用し、移民たちを国境から遠ざけた。

セルビア外務省はこれを受けて、自国領内に放水し催涙ガスを発射したハンガリー政府に抗議した。

ハンガリーが国境を封鎖する前日の14日は、1日の人数としては記録的な9380人がハンガリーに入った。

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Image caption ハンガリーとセルビアの国境のセルビア側で数百人が野宿した

<分析>ベオグラードからガイ・デローニー記者

セルビアはこれまでずっと、隣国マケドニアから越境してくる難民や移民の入国に、穏健な姿勢をとってきた。

セルビア当局は、越境してくる移民のほとんどは別の国への移動を目的としていることを理解していたし、紛争地を逃れてくる人たちがセルビアを望ましい移住先として見ていないことを残念がる声もあったほどだ。

しかしハンガリーがセルビアからの越境を厳しく取り締まりフェンスを設定したことで、セルビアからの移民の流出が止まった。

もしハンガリーに入れないとなると、セルビアに留まる移民の数は増え始めるかもしれない。そうなると、セルビアの対応能力は限界に達するかもしれないし、これまで見事なまでの寛容と共感の精神で移民を迎えていた市民感情にも変化が出るのかもしれない。


オーストリア政府も16日、ハンガリー国境での入管手続きを強化した。しかし迫害を逃れて避難してきた人をハンガリーに送還することはないと強調している。

オーストリア警察によると、ウィーンの主要2駅は移民であふれかえり、ザルツブルクのターミナル駅は閉鎖を余儀なくされるかもしれないとしている。

Image caption ハンガリーはセルビアとの国境にフェンスを設置した

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