パレスチナの旗、国連本部前で初めて掲揚

Mahmoud Abbas raises a folded Palestinian flag at UN headquarters in New York (30 September 2015) Image copyright AFP
Image caption 旗の掲揚式で、折りたたんだ旗を手にするパレスチナ自治政府のアッバス議長(30日、国連本部前)

パレスチナ自治政府の旗が30日、国連本部前に初めて掲げられた。式典には自治政府のアッバス議長が出席した。

アッバス氏は29日、国連本部での旗掲揚は「とても思いのこもった、誇らしい日になる」と書いていた。

国連総会は9月初めに、パレスチナやバチカンの旗を本部前に掲揚すると採決。イスラエルやアメリカのほか6カ国が、この決議案に反対票を投じていた。45カ国は棄権した。イスラエルのプロソール国連代表は採決にあたり、パレスチナが「国連をハイジャックしようとしている」と非難し、パレスチナ国家樹立はイスラエルとの直接交渉によってのみ可能だと強調していた。

国連総会の一般討論に出席したアッバス議長は、パレスチナ国家の地位問題がいまだ未解決なのは良心にもとる不当な事態だと強調し、国家としての承認を求めた。

議長はさらに、和平合意にイスラエルが「違反し続ける」以上、パレスチナは合意内容にもはや縛られないと警告。「イスラエルは、入植を止めようとしないし、4回目のパレスチナ人服役囚釈放を実行に移さない。ならば我々としても、こちらだけ一方的に合意内容の順守にこだわり続けるわけにはいかないと強調するしかない」として、「ゆえに我々は、合意内容に縛られ続けるわけにはいかないと宣言する。そしてイスラエルは占領国としての全責任を負わなくてはならない」と告げた。

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Watch as the Palestinian flag is raised outside United Nations headquarters in New York

<ビデオ> 国連本部前にパレスチナ自治政府の旗が初めて掲げられた(音声解説はありません)

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Image caption アッバス議長の国連総会演説を観るラマラの人たち(30日)

これに対してイスラエル首相府はアッバス議長の演説について「うその内容で、中東の不法状態をあおっている」と批判。「我々は自治政府とその指導者に対して、前提条件なくイスラエルと交渉に入るよう求めるイスラエルの提案を受け入れ、責任ある行動をとるよう期待し、そのように呼びかける」とコメントしている。

アッバス議長は過去に、もし中東和平の成立可能性がないなら、自治政府を解散し、 西岸地域の責任をイスラエルに一任する用意があると警告している。

パレスチナ自治政府は1993年にイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の間で交わされたオスロ合意にもとづき暫定的に設置された自治機関。当時は、5年のうちに包括的な和平条約が交わされると期待されていたが、以来20年以上にわたる交渉を経ても、最終的な和平合意や独立したパレスチナ国家の樹立に至っていない。最近では2014年4月を最後に和平交渉は途絶えている。

国連総会は2012年に、パレスチナの地位をバチカンと同じ「非加盟のオブザーバー国家」に格上げした。パレスチナは2011年に加盟申請したものの、安保理での支持が得られず頓挫している。

BBCのエルサレム特派員ケビン・コノリー記者は、西岸地区で生活水準がどんどん悪化するパレスチナ人は、パレスチナ国家を求める動きにしびれを切らしていると指摘する。国連前で旗を掲揚したからと言って、国家樹立を国際社会の喫緊の課題に引き上げるには至らないが、それでもアッバス議長としては実現しやすい具体的な成果だったと記者は説明する。