パルミラの凱旋門、「イスラム国」が爆破

Triumphal Arch in Palmyra (file picture) Image copyright Reuters
Image caption パルミラの凱旋門は古代ローマ人が紀元2世紀に建立

シリア政府関係者や活動家らによると、北部の古代都市遺跡パルミラの凱旋門が、過激派勢力「イスラム国」(IS)によって爆破された。

シリア文化省のアブドルカリム文化財・博物館局局長が5日、ロイター通信に明らかにしたほか、現地の活動家ムハマド・ハッサン・アル・ホムシ氏がAFP通信に「凱旋門は粉々になった。ISが破壊した」と確認した。

ロンドンを拠点にシリア内戦の現地状況を監視している人権団体「シリア人権監視団」も、現地の消息筋が破壊を確認したと認めている。

アブドルカリム局長はロイター通信に、ISによるパルミラ制圧が続くようなら、都市遺跡の存続は「絶望的だ」と話している。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長は破壊行為は「戦争犯罪だ」と強く非難し、「シリアの人々から知恵とアイデンティティと歴史を奪おうとする」ISに対して国際社会が団結して戦うよう呼びかけた。

パルミラの凱旋門は約2000年前に建てられたとされている。

ISは今年5月にパルミラと周辺地域を制圧。8月末にもパルミラの「バール・シャミン神殿」と「ベル神殿」を破壊している。


パルミラの古代都市遺跡とは

  • ユネスコ世界遺産。
  • 古代世界で重要な文化の中心だった都市の遺構が残る。
  • 紀元1世紀から2世紀にかけて成立。ギリシャ・ローマ様式に地元の伝統やペルシャの影響が合わさった、文化財や建築が残る。
  • 大規模な遺構、1000以上の支柱、500以上の墓所を擁する大がかりな共同墓地などがある。
  • シリア内戦の前は毎年15万人以上の観光客がパルミラを訪れていた。

地元で「タドムール」と呼ばれる現在のパルミラの町は、シリアの首都ダマスカスと東部の都市デイル・アルズールをつなぐ道路の、戦略的に重要な場所に位置する。

古代都市パルミラはこの現在のパルミラに近い、砂漠の中にあり、ユネスコなどは古代世界の記録をとどめる世界で最も重要な史跡と位置付けている。


2015年にISが破壊した歴史的遺跡や文化財

1月―イラク北部モスルの中東図書館を襲撃し、数千冊の書籍を焼却。

2月―モスルの中央博物館でメソポタミア文明の石像などを破壊したとするビデオが浮上。

3月―イラクでも最も貴重な遺跡のひとつ、古代アッシリアの遺跡ニムルドを爆発物とブルドーザーで破壊。その後まもなく、ハトラの遺跡も破壊。

8月―パルミラのバール・シャミン神殿とベル神殿を破壊

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Image caption ISが8月末に破壊したベル神殿はパルミラの神々に捧げられた建物で、最も保存状態の良い遺構のひとつだった(2009年撮影)

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