クリントン前国務長官、TPPに反対表明

選挙運動の集会で話すクリントン氏 Image copyright Reuters
Image caption 選挙運動の集会で話すクリントン氏

2016年の米大統領選に立候補しているクリントン前国務長官は7日、先に米国を含む12カ国が基本合意した環太平洋連携協定(TPP)について反対の立場を表明した。

TPPは現オバマ政権が推し進める貿易協定で、これまでの交渉に5年以上かかった。オーストラリアや日本など参加国の経済は世界経済の約4割を占める。

クリントン前長官は米国の公共放送PBSのインタビューで、TPPには多くの「不明な部分」があるとし、自身の「高い評価基準」を満たしていないと批判。「これまで分かった内容では賛成できない」と語った。

クリントン氏と同様に、民主党から大統領選に出馬表明しているバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)やマーティン・オマリー前メリーランド州知事もTPP反対を表明している。

クリントン氏は、PBSのインタビューで米国の労働者の利益になる貿易協定しか支持しないと述べた。「当初から言っているが、米国でしっかりとした雇用を創出し、賃金を引き上げ、国家の安全保障を強める貿易協定でなければならない。このような高い評価基準を満たさなければならないというのが依然として私の信念だ」と述べた。


<解説>アンソニー・ザーチャー北米担当記者

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Image caption TPP参加国の経済は世界経済の約4割を占める

民主党の第1回目の大統領選討論会まで1週間を切ったタイミングで、クリントン氏が条件付きながらTPPへの反対を表明するのは、民主党の候補指名をめぐる政治的な背景にすぐ結びつけられるだろう。

ポピュリスト的左派の支持で予想外に善戦しているサンダース上院議員は、TPPは米国の労働者を利益を損ない、環境に悪影響を及ぼすとかねてから非難してきた。討論会でもTPPを取り上げ、クリントン氏批判の材料に使う可能性が高い。クリントン氏が以前、TPPを貿易交渉の「黄金律」と評価したことがあるからだ。

加えてクリントン氏がTPP支持を取り下げるのは、ジョー・バイデン副大統領というさらに強力なライバルの出現を予想しているからかもしれない。

バイデン副大統領は出馬の意向を次第に明確にしつつあるが、政権メンバーとしてオバマ大統領が強く推進するTPPに反対することは非常に難しい。

バイデン氏の選挙運動は労働者や組合の支持に大きく頼るだろうとみられているが、労組・労働者層は新たな貿易協定に強く反対している。クリントン氏は実際にバイデン氏と競う前に、有利な立場を築いておきたいと考えているかもしれない。

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