ジンバブエ、ライオンの「セシル」殺害の米歯科医を不起訴に

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Image caption 人気者だったライオン「セシル」を殺害した歯科医ウォルター・パーマー歯科医は激しい非難にさらされた

ジンバブエ政府は、今年7月にライオンの「セシル」を殺害して国際的に非難された米歯科医について、狩猟許可を合法的に得ていたため、起訴しないと決めたと明らかにした。

ジンバブエのムチングリ環境相は、ウォルター・パーマー歯科医(55)適正な手続きをもとにセシルを狩りで殺したため、起訴できないと説明。その上で、狩猟許可の手続きを見直していくと述べた。

ムチングリ環境相はこれまで、パーマー氏の身柄引き渡しと訴追を求めていた。

「警察と検察に相談したが、パーマー氏はすべての書類が整っていたからジンバブエに来たのだと分かった」と環境相は述べ、訴追は無理だと分かったと説明した。

一方でパーマー氏を案内したジンバブエ人ガイド、テオ・ブロンクハースト被告の審理は今後も続く。「不法な狩りを阻止しなかった罪」で起訴されているが、被告は罪状を否認している。


ライオンのセシル

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  • ワンゲ国立公園の人気者だった
  • 13歳の雄ライオンで、人懐こいと有名だった
  • 大きい体と特徴的な黒いたてがみで見分けやすかった
  • メス6頭と子ライオン12頭、別の雄ライオン「ジェリコ」からなる2つの群れのボスだった
  • 英オックスフォード大学のライオン保護研究の一環として観察されていた

パーマー医師はジンバブエでライオンを狩るために5万ドル(約600万円)払ったとみられている。

「セシル」を殺した当事者として名前が報道されると、パーマー歯科医の医院と自宅前には連日、狩猟に反対する大勢の人たちが集まって抗議活動を行った。

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Image caption パーマー氏のミネソタ州の歯科医院前に抗議する人たちが集まった(2015年7月30日)
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Image caption 7月には「ライオン殺し」の文字がフロリダの別荘にスプレーされた(8月4日)

パーマー医師は9月、AP通信と地元紙ミネアポリス・スター・トリビューンに対して、「もし名前のあるライオンで、国や研究活動に重要だと知っていたら、もちろん殺さなかった。自分たちの狩猟グループで、あのライオンについて誰も知らなかった」と話している。

さらに、妻と娘がソーシャルメディアでたびたび脅迫にさらされているとも述べ、「無関係の人間をそうやって狙う人の人間性とはどういうものなのか理解できない」と批判している。

パーマー氏は熱心な狩猟家でジンバブエを4回訪問。また訪問するかどうかについては「先のことはわからないが、いつも素晴らしい狩りを経験できたし、自分はいつもルールに従っていた」と述べていた。