中国「アメリカはまた武力誇示」と反論 南シナ海めぐり舌戦

スプラトリー(南沙)諸島近くで操業しているとされる中国の浚渫(しゅんせつ)工事船。2015年5月21日に米哨戒機撮影。 Image copyright Reuters
Image caption 南シナ海で人工島を造成してきた中国の動きをアメリカは近隣諸国は警戒している

中国が人工島を造成するなど活動を活発化させている南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島の問題について、アメリカ政府が人工島付近で海軍を活動させると発言したのを受け、中国政府は反発している。ロイター通信によると、中国外交部の華春瑩・副報道局長は14日の定例会見で、「一部の国」が南シナ海で「繰り返し武力を誇示している」と不快感を示した。

カーター米国防長官は13日、中国の人工島造成に「強い懸念」を示し、「誤解のないように。アメリカは国際法が許す場所は世界のどこでも飛行し、航行し、活動する。南シナ海は例外ではない」と言明。さらに「その時と場所は我々が選んで決めることだ」と付け足した。

これを受けて、中国の華副報道局長は記者の質問に答えて、「航行飛行の自由を守るという名目で、南沙諸島の中国領海・領空をいかなる国が侵すことも許さない」とアメリカを念頭に強い調子で反論した。

「一部の国は自国領土を遠く離れて、攻撃的武器を大々的に配備し、南シナ海で何度も繰り返し武力を誇示している」と非難した上で華氏は、「これこそが南シナ海軍事化の最大要因だ。関係各国が南シナ海問題をことさらにおおげさに取り上げるのを止め、領土紛争に一方的な立場をとらないという約束を実直に守ってもらいたい」と釘を刺した。


紛争の諸島

南シナ海をめぐる紛争は海域の領有権をめぐるもので、パラセル(西沙)諸島とスプラトリー(南沙諸島)については複数の国が一部、あるいは全部について領有権を主張している。

諸島には島のほか岩礁、環礁、砂州などが含まれ、人口はほとんどないが、天然資源が豊富だ。加えて周辺海域は主要な海上輸送路で、周辺地域の人の生活の糧となっている重要な漁場でもある。


アメリカのジレンマ

中国はこの海域で小さな島々に土地を造成する中国の動きに、周辺国とアメリカは懸念を強めているとBBCの中国アナリスト、マイケル・ブリストウ記者は説明する。

米政府は中国が、主要海上輸送路でもあるこの海域の大半に対する領有権の主張をさらに強めるため、人工島に軍事施設を建設しているとみている。

ブリストウ記者はこの海域でここ数年、アメリカの海上パトロール活動は途絶えていたと説明。特に中国が南シナ海で大がかりな造成工事を始めてからは、アメリカは艦船を周辺に派遣していないという。

今年5月に米軍哨戒機が埋立現場に接近した際には、中国側から8回にわたり退去警告を受けた。

アメリカは今や、艦船を海域に派遣して中国と衝突するリスクをとるか、派遣しないで弱腰に見られるか、どちらかを選ばなくてはならないとブリストウ記者は言う。

これに先立ち13日にはベトナム政府が、中国が南シナ海で灯台2基を完成させたことはベトナム主権の侵害だと批判している。対して中国は、灯台は海域の安全な航行を助けるものと主張している。