米軍、アフガン駐留を延長へ オバマ政権方針転換

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President Obama: "This modest but meaningful extension of our presence... can make a real difference"

<英語ビデオ>オバマ大統領がアフガン駐留延長を発表。「小規模で、かつ意味のある形で延長することで、効果を発揮する」と。

オバマ米大統領は15日、ホワイトハウスで記者会見し、2016年末までにアフガニスタン駐留米軍を撤退するという方針を見直し、2017年以降も5500人を駐留させる新方針を発表した。反政府勢力タリバンが勢いを回復していることなどが理由という。

現在アフガニスタンには米兵9800人が駐留している。米政府はこれまで2017年以降は大使館警備のための小規模部隊のみを残す方針だった。

方針転換を発表したオバマ大統領は、駐留延長はアフガニスタンやアフガン治安部隊にとって意味のある「大きな違い」になると述べた。アフガニスタン治安部隊は米軍が訓練しているが、その能力はまだ十分でないと大統領は認めた。

オバマ氏は、昨年12月に北大西洋条約機構(NATO)主体でアフガニスタンに展開していた国際治安支援部隊(ISAF)が昨年12月に任務を終えたことによる影響は大きく、タリバンの攻撃激化によってアフガン兵や市民の多くが命を落としたと指摘。

このため駐留継続は「正しい対応だ」と大統領は述べ、「この国を攻撃するためのテロリストの避難場所としてまたしてもアフガニスタンが使われるような事態は、最高司令官として容認できない」と意義を強調した。

タリバンについては、米軍の完全撤退を実現させたいなら、アフガニスタン政府と和平合意を交わしこれを順守するしかないと述べた。

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Image caption アフガニスタン・アサダバードをパトロールする米兵

<分析>BBCニュース、ジョナサン・マーカス防衛外交編集委員

アフガニスタン駐留米軍の撤退延長とは、オバマ大統領は自分の任期満了前にすべての米兵を帰国させることができないということを意味する。

駐留についての検討は数カ月前から米政府内で行われてきたもので、アフガン北部クンドゥズをタリバンが一時的に占領した結果の決定ではない。

しかしクンドゥズでの攻防は、米軍が引き続きアフガン部隊を訓練し助言し続けることの必要性を浮き彫りにした。

過激派勢力アルカイダがアフガンで活動を再開し、いわゆる「イスラム国」が足場を固めつつある状況で、米政府は対テロ作戦実施の足場となる基地を少数でも残しておきたい意向だ。

完全撤退への期待がどうであれ、米政府は引き続き軍事的にアフガニスタンに関わっていくという決断したようだ。アフガニスタンでは特にアメリカの空軍力が不可欠となる。

オバマ大統領は当初、2017年1月に任期満了で退任するまでに、アフガン駐留米軍の数を兵士1000人規模まで削減する方針だった。

米国家安全保障会議(NSC)は大統領会見に先立ち、方針転換は「数カ月にわたる広範囲にわたる検討の結果」で、大統領は「アフガニスタンのパートナーおよび安全保障政策担当チーム全体と協議した」と文書で発表している。

NSCはさらに「アフガニスタンにおける我々の戦闘任務が終了したという事実には何ら変化はなく、対テロ活動およびアフガニスタンのパートナーの訓練・助言・支援という、限定的な2つの任務のみを継続する」と説明している。

Image caption アフガニスタンに駐留する米兵の数(ブルッキングス研究所資料。CBSニュースより)

アフガニスタンのガーニ大統領はこれまでも米軍撤退のペースを落とし、アフガン軍の技術と装備向上を図るよう求めていただけに、今回の米政府の方針転換は歓迎するものとみられる。

アフガン駐留米軍のキャンベル司令官も、クンドゥズ攻防と米軍による病院誤射の後に議会公聴会で証言し、アフガニスタンの治安が不安定な状況にあり、タリバン掃討には部隊の増強が必要だと述べていた。

Image caption 2015年6~9月にかけてアフガニスタンで起きた主な反政府勢力攻撃の場所

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