ロッカビー上空のパンナム機爆発 新たに容疑者2人を特定

The Lockerbie bombing - part of the aircraft on the ground Image copyright AFP
Image caption スコットランド・ロッカビーに墜落した機体の一部

1988年12月21日に英スコットランド・ロッカビー上空でロンドン発ニューヨーク行きのパンナム機103便が爆発し、地上の11人を含む270人が死亡した事件で、アメリカとスコットランドの検察はリビア人2人を新たに容疑者として特定し、リビア政府に対して2人への事情聴取の許可を要請した。

BBCの取材で、容疑者として特定された1人は故カダフィ大佐の義弟で、アブドラ・アル・セヌシ元情報局長だと分かった。もうひとりはモハメド・アブアジェラ・マスード服役囚。セヌシ元情報局長は死刑判決を受けて服役中だ。マスード服役囚は爆弾製造の罪で収監されているという。ふたりともアメリカで9月に放送されたドキュメンタリーで、容疑者の可能性があると名指しで特定されていた。

ロッカビーの事件でこれまで有罪になったのは、2012年5月にがんで死亡したアブデルバセト・アル・メグラヒ元服役囚のみ。2001年に大量殺人で有罪となり最短でも禁錮27年を言い渡されたが、末期がんを患ったため2009年に釈放され、トリポリへ帰国した。事件への関与を疑問視する本やドキュメンタリーもある。

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Image caption アブドラ・アル・セヌシ元情報局長

スコットランドのマルホランド検事総長は最近になってリンチ米司法長官と会談し、捜査の進捗を協議したという。その上で、リビア・トリポリで収監されている両容疑者にスコットランド警察と米連邦捜査局(FBI)が事情聴取できるよう、リビア政府に許可を求めた。

リビアの司法長官はBBCの取材に対して、リビア政府が捜査に協力するかどうかコメントを避けた。


ロッカビー事件の遺族からは、新たな容疑者特定を歓迎する声もある。事件で夫のマイケルさんを失ったステファニー・バーンスタインさんは、「驚いているし、とても嬉しいし、本当にありがたいと思っている」として、「スコットランドとアメリカの政府が事件捜査を真剣に続けていると知って、眠れなくなっている連中が大勢いればいいと思う」と述べた。

その一方で娘のフローラさんを失ったジム・スワイアさんは、メグラヒ服役囚に対するものより「もっとちゃんとした証拠固めが必要だ」と指摘。

遺族会会長のフランク・ドゥガン氏も、実際に起訴につながるだろうかと疑問視する。

「もう26年もたってしまった。長くかかりすぎだ。死んでいない人もいる、何があったか忘れられてしまったこともある。これで何かひとつの区切りになればいいとは思うが、みんなが望んでいる正義の決着につながるとは期待していない」

(英語記事 Lockerbie victims' families welcome naming of new suspects