義足の元五輪ランナー、ピストリウス受刑者が仮釈放

Olympic and Paralympic track star Oscar Pistorius is pictured ahead of his sentencing hearing at the North Gauteng High Court in Pretoria in this 16 October 2014 file photo. Image copyright Reuters
Image caption プレトリアの法廷で判決言い渡しを待つピストリウス被告(当時)。2014年10月16日。

南アフリカの自宅で発砲し恋人の女性を死亡させたとして禁錮5年の実刑判決を受けた両脚義足の元五輪ランナー、オスカー・ピストリウス受刑者(28)が19日夜、判決から約1年で仮釈放された。服役していた刑務所の報道官が明らかにした。刑期の残りはプレトリアの親類宅で自宅軟禁状態に置かれる。一方で検察側の控訴による控訴審の判決が来月初めに予定されている。

刑務所報道官は「オスカー・ピストリウスは今夜、矯正保護観察下に置かれた」と発表した。「その具体的な執行手続きは、被害者と加害者と矯正局の間で最適な形を選んで行われる」という。

プレトリアで取材するBBCのキャレン・アレン記者によると、ピストリウス受刑者は予定よりも早く、夜陰に紛れるようにして車で20分先にある、おじの家へ自動車で移送された。マスコミの目を避けるために深夜の移送を選んだとみられるとアレン記者は指摘する。

電子監視はされないが、行動は制限されるとみられる。

仮釈放の条件には、銃所有の制限や心理セラピーの継続、地域での勤労奉仕などが含まれる。

今年8月にも受刑者の仮釈放を求める動きがあったが、法務相がこれを却下していた。

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Image caption 恋人に撃たれて死亡したリーバ・スティンキャンプさん(当時29歳)

ピストリウス受刑者は2013年2月、鍵のかかったドア越しにバスルームにいた恋人のリーバ・スティンキャンプさん(当時29)を撃って死亡させた。侵入者と思って撃ったと主張したが、昨年10月に過失致死罪で有罪判決を受けた。

検察は殺人罪が適用されるべきだとして控訴。11月3日に控訴審の判決言い渡しが予定されている。

スティンキャンプさんの遺族は、仮釈放についても「罰が軽すぎる」と反発している。

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Kim Martin, Reeva Steenkamp's cousin: "It's not a fair sentence"

<英語ビデオ>スティンキャンプさんのいとこ、キム・マーティンさんは「不当判決だ」と

スティンキャンプさんのいとこ、キム・マーティンさんはBBCに対して、いずれ「しかるべき時」が来たら遺族は受刑者に会いにいくかもしれないが、罪の償いとしては「軽すぎる」と思うと話している。

スティンキャンプさんの両親も過去に、「人の命を奪った償いにしては」刑期が短かすぎると批判している。

南アフリカの司法制度では、量刑の6分の1を終えた時点で「強制的保護観察下」におかれた状態での仮釈放の対象になる。

一方で、ピストリウス家の近親者によると、受刑者は健康状態が衰えており、陸上競技への復活はありえないという。

殺人罪での有罪を求める検察控訴が認められれば、受刑者はさらに長い刑期で刑務所に戻ることもあり得る。