スウェーデン学校刺殺事件 人種差別が背景か

学校の外では、犠牲者を追悼するろうそくが灯され、花を手向けられた(22日) Image copyright EPA
Image caption 学校の外では、犠牲者を追悼するろうそくが灯され、花を手向けられた(22日)

スウェーデン西部のトロルハッタンで22日に刀を持った男が学校に侵入し2人を殺害した事件で、警察は「人種差別的な動機」があったとみて捜査を進めている。

ニクラス・ハルグレン警察署長は、男の自宅アパートで見つかった所持品や犯行時の言動から、動機の判断に至ったと話した。メディア各社は21歳とされる男が極右思想を持っていたと報じている。

ヘルメットとマスクを着けた男は刀を持って学校に侵入した後、警察に撃たれて死亡した。

校舎内で男は、ハロウィーンの仮装をしていると思った生徒らと写真撮影に応じた後、教室から教室を回って歩いたという。

教師1人と17歳の生徒1人が刺されて死亡し、15歳の生徒と41歳の教師の2人が重傷を負い病院で手当てを受けている。

男の名前は公表されていないが、警察によるとトロルハッタンの地元住民だという。

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Image caption 黒ずくめの男は事件前に刀を持って生徒たちと写真を。別の生徒がAFP通信に提供(22日)

スウェーデンでは殺傷事件に対するショックが広がっている。事件のあった学校を訪れる前に、ロベーン首相は「スウェーデンにとって暗い日だ」と語った。

同首相は報道陣に対し、「学校は、学んで遊び、好奇心を満たし、友情を育む場であるべきで、この悲劇には国全体が影響を受ける」と述べた。カール16世グスタフ国王は、「ショック」を受けており、事件の知らせを「とても信じられない思いと悲しみ」と共に受け止めたと語った。

22日夕には、学校の校舎前に数十人が集まり、ろうそくを灯し花を手向けて犠牲者を追悼した。追悼のため夜を外で過ごした一部の住民には「なぜ人殺しを?」と書かれた紙を掲げる人もいた。

「一匹狼」

地元メディアによると、容疑者のフェイスブックやYouTubeアカウントには、ヒットラーやナチスへの関心をうかがわせる内容があった。またイスラム教や移民への反感を示す内容もあったという。

ハルグレン警察署長は、スウェーデンの公共放送ラジオで「容疑者は人種差別的な動機を持っていたと考えている」と語った。さらに「このような判断に至ったのは、容疑者のアパートで見つかったものや犯行時の言動、また被害者をどのように選んだかに基づく」と述べた。

警察は事件前には容疑者について注目していなかったという。容疑者の元クラスメートはスウェーデンの新聞の取材に、「一匹狼だった。ビデオゲームをして、自分の世界に閉じこもっていた」と話した。

事件の目撃者は、当時の混乱した模様を語った。少なくとも2つのクラスルームのドアをノックし、ドアを開けた2人の男子生徒を襲った。そのうちの1人は死亡している。

警察は犠牲者の氏名を明らかにしていない。

警察は現地時間の22日午前10時10分頃に通報を受け、現場に向かった。男は校舎の廊下で警察に撃たれて倒れた。

学校は、6歳から15歳の約400人の生徒が通い、生徒の多くは移民の家庭出身。トロルハッタンはスウェーデン西部の工業都市で、スウェーデン第2の都市であるヨーテボリの約75キロ北にある。

スウェーデンで学校襲撃事件は珍しく、過去20年で生徒1人が射殺された事件1件のみだ。

(英語記事:Sweden school killings: Attacker 'had racist motives')

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