ポーランド総選挙で保守系の最大野党が勝利 難民反対掲げる

Beata Szydlo, candidate for prime minister, celebrates with supporters at the party's headquarters in Warsaw after exit poll results were announced (25 October 2015) Image copyright AFP
Image caption ポーランド総選挙で保守系野党が勝利。出口調査結果を喜ぶ首相候補のベアタ・シェドワ氏(中央)と支持者たち(ワルシャワ、25日)

ポーランドで25日、総選挙(上院100議席、下院460議席)の投開票が行われ、難民反対などを掲げる保守系の最大野党「法と正義」が勝利した。

出口調査によると、得票率39%で単独過半数獲得の見通し。

「法と正義(PiS)」は欧州連合(EU)懐疑派の保守派野党で、反難民政策などを公約に掲げた党首のヤロスワフ・カチンスキ元首相(66)は勝利を宣言。リベラル派与党「市民プラットフォーム(PO)」党首のエバ・コパチ首相は敗北を認めた。

ワルシャワで取材するBBCのアダム・イーストン記者によると、もし出口調査の結果が確認されれば、1989年にポーランドが民主政治を回復して以来、ひとつの政党による単独政権が成立するのは初めて。

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Image caption 勝利を祝うカチンスキ党首(左)とシェドワ氏(25日)

勝利宣言したカチンスキ党首は「法を遂行するが復讐はしない。個人的な恨みを果たしたりはしない。自分たちのせいで当然のように倒れた人たちを蹴飛ばしたりはしない」と述べた。

カチンスキ氏に首相候補として選ばれていたベアタ・シェドワ氏(52)は、ポーランド国民の支持に感謝し、「私たちが勝利できたのは直面する課題に着実に取り組み、故カチンスキ大統領の足跡をたどってきたから」と述べた。

「自分たちが何を期待し、何を必要としているか私たちに教えてくれたポーランドの人たち、最終的に私たちに投票してくれたこの人たちがいなければ、この勝利はありえなかった」とも感謝した。

選挙前に難民問題は大きな争点で、政府は7000人受け入れに合意しているが、「法と正義」をはじめとする野党はこれに反対していた。

カチンスキ氏は投票に先立ち、移民が病気や寄生虫をポーランドに持ち込むかもしれないと発言して非難されている。


BBCニュース、アダム・イーストン(ワルシャワ)

出口調査が正しければ、歴史的な選挙だった。1989年にポーランドで民主主義が復活して以来、単独政権が成立するのは初めてだし、左派政党が議席を獲得できなかったのも初めてだ。

「法と正義」が大勝したのは、ポーランドの目覚ましい経済成長の恩恵を自分たちは受けていないと感じている多くのポーランド人に対して、単純かつ具体的な政策を提示したからだ。同党は、決して豊かではない人たちに、児童福祉手当や税控除の拡大を約束した。

国民の多くは、約束を果たさず、スキャンダル続きだった与党「市民プラットフォーム」政権の8年間に飽き飽きしていた。政府は国民に無関心だとさえ思われていた。

「法と正義」はさらに、ややもすると強硬なカチンスキ党首よりも穏健なベアタ・シェドワ氏を全面に押し出すことで、勝利の方程式を貫いた。カチンスキ氏は、政敵が元共産党の秘密警察寄りだと非難したり、移民が危険な伝染病を国に持ち込むと述べるなど、歯に衣着せない発言の人として知られる。

対して同党が押し出した52歳のシェドワ氏は、炭鉱作業員の娘で熱心な読書愛好家で、今やポーランドの次期総理大臣だ。


カチンスキ党首(故レフ・カチンスキ元大統領の双子の兄)はシェドワ氏を首相指名したが、いずれ数カ月後には自分が首相になるのではないかと見る向きもある。

「法と正義」は、カトリック信者の多いポーランドで強い影響力をもつカトリック教会とのつながりが強く、人工中絶や体外受精の禁止を支持。さらに、国民に福祉や税控除の拡大を約束している。またロシアの脅威に対抗するためには強い北大西洋条約機構(NATO)が必要だと主張してきた。

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