ブレア元英首相、IS台頭はイラク戦争と関係あると認める

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ブレア元英首相、ISの台頭はイラク戦争と関係があると

ブレア英元首相は米CNNとのインタビューでイラク戦争をめぐる間違いについて謝罪し、それが過激派勢力「イスラム国」(IS)台頭の原因となったという指摘には「真実の要素」があると認めた。

元首相は「サダムを取り除いた我々」には現在のイラク情勢についていくらかの責任があるとも述べた。

しかしサダム・フセイン元大統領を排除したことについて「謝るのは難しい」と述べ、イラク侵攻がなければイラクは今のシリアのように内戦状態なっていたかもしれないと示唆した。

ブレア氏は、たとえ自分のイラク政策が奏功しなかったとしても、その後の政策もうまくいったとは言えないとも述べた。

BBCのロビン・ブラント政治編集委員は、ブレア氏が「すでに謝ったことについて」あらためて誤っていると指摘する。

イギリスではイラク戦争開戦について「チルコット委員会」が事実関係を調査しており、同委員会は最終報告書完成までの予定表を近く発表する見通し。

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<分析> ロビン・ブライアントBBC政治編集委員

元首相は以前すでに謝ったことについて謝っている。戦争を始めた全般的な判断そのものについては謝っていない。

新事実という意味で最も大事なのはむしろ、サダム・フセイン排除がいわゆる「イスラム国」の台頭に関係したかもしれないという点だ。

元首相はCNNに「それには真実の要素がある」と述べ、一理あると認めた上で、フセイン打倒後のイラクや周辺地域の情勢がいかに複雑かについて説明しはじめた。

特筆すべきことはもうひとつ。トニー・ブレアは、今のイギリスや欧州がシリアについて武力行動に参加していないのは誤りだと考えているようだ。

この記事を読んだりインタビューを見たりする際には、タイミングを念頭におく必要がある。チルコット報告書がいつ発表されるか、その最終的な予定について間もなく明らかになるというタイミングでの発言だということだ。

チルコット報告書で自分がどう批判されるか、ブレア氏には予想がついている。それを念頭に置く必要がある。

報告書で批判されるだろう誰もが、ブレア氏を含めて、これからどうなるか分かっているのだ。


「真実の要素」

元首相はさらに、イラク進攻では「準備段階でいくつかミスがあり」、「(フセイン)政権を取り除いたら何が起きるか、我々の理解に誤りがあった」と認めた。

しかしその一方でブレア氏は、フセイン元大統領がまだ在職だった方が「世界にとって良かったか」と尋ねられたら、「そうだという人たちに同意するわけにはいかない」と述べた。

イラク戦争がいわゆる「イスラム国」の主な要因だったのではないかと問われると、元首相は「そこには真実の要素がある」と認めた。

「もちろん、2003年にサダムを排除した我々に、2015年の情勢について何の責任もないとは言えない。ただし、2011年に始まったアラブの春も、現在のイラクに影響を及ぼしただろうと認識するのも大事だ」

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Image caption フセイン大統領排除後の計画に誤りがあったとブレア氏は認めた

ブレア氏は、連合国がイラク戦争後に「幅広い支持基盤を持つ政府」をイラクに樹立しようとしたし、比較的安定した状態が2009年には実現できていたが、当時のイラク政府の宗派対立や「アラブの春」の影響で安定が損なわれてしまったとの見方を示した。

そのタイミングでISはイラクからシリアに入り、基盤を確立したのち、あらためてイラクに戻ってきたのだとブレア氏は語った。

謝罪なし

イラク戦争開戦への流れを検証するサー・ジョン・チルコット主導の委員会の最終報告書は、現在まとめの段階に入っている。委員会設置から6年たつが、報告書発表のタイミングはまだ明らかになっていない。

英自由民主党のミンギス・キャンベル元党首は、ブレア氏の新たな発言がなんであれ、「重大な判断ミスがあったという世論は変わらない」と批判した。

バリー・モーガン・ウェールズ大主教は、ブレア氏が「開戦についてずいぶんと熱心で好戦的だった」と批判した。

一方で、イギリス独立党(UKIP)の国防担当報道官で欧州議会議員のマイク・フーケム氏は、チルコット報告書を「ただちに」公表するよう要求した。

スコットランド自治政府のスタージョン首相は、「ブレア陣営の広報作戦が始まったが、国はまだ真実の発表を待っている。チルコット報告書の遅れはとんでもない話だ」とツイートした。

しかしブレア氏の事務所は、今回インタビューに応じたのは、報告書発表前に批判をかわそうという狙いからではないと説明。広報担当者は「トニー・ブレアはすでに、(開戦前に得ていた)情報に誤りがあり、計画にも誤りがあったことについては謝罪している。その一方で、サダム排除は間違いだったとは思わないと、これまでも発言してきたし、今後も発言し続ける」と述べた。

さらに、「2003年にサダムを排除したのがISISの原因だとは言っていないし、アルカイダを実質的に倒した2008年末の時点では、ISISはほとんど知られていなかった」と補足した。

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