米駆逐艦、中国人工島近くを航行

Spratly Islands as seen through the window of a military plane on 16 October 2015 Image copyright AP
Image caption 米海軍艦船が航行した海域を、中国は領海と位置付けている。写真は10月16日撮影の南沙(スプラトリー)諸島

米国防関係者によると、駆逐艦「ラッセン」が27日、南シナ海に中国が造成した人工島周辺の海域を航行した。南沙(スプラトリー)諸島で埋め立てたスビ礁とミスチーフ礁から12カイリ(約22キロ)内に入ったという。

中国は、航行が実際にあったか確認中としている。王毅外相は「本当なら米国に行動する前に再考するよう促す。やみくもに行動しないよう、何もないところに問題を作らないよう促す」と述べた。

航行の自由確保を目的とする米軍のこの動きは、同海域を領海と位置付けている中国の主張に対抗するもので、南シナ海の大半を領海だとしている中国政府が反発するのは必至だ。

米政府が中国に通告したかは不明だが、ワシントンの中国大使館報道官は、航行の自由は「軍事力を誇示し、他の国の主権や安全を損なうための口実にするべきではない」と述べていた。

これに先立ち米国防関係高官はロイター通信に対し、駆逐艦は27日未明にスビ礁とミスチーフ礁の近くへ航行を開始し、この海域に数時間留まる予定と明らかにしていた。同高官は米メディアに対し、哨戒機P8AやP3も同行するだろうと話していた。同様の巡視任務は今後も続く見通しという。

Image caption 南シナ海

南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島、パラセル諸島、スカーボロ礁の周辺海域は資源が豊富とみられており、東南アジアの各国が権利を主張している。南シナ海は重要な海上輸送路でもある。

各国は国際海洋法に基づき、自然の島の周辺12カイリを領海と主張することができるが、海面以下にあった岩などを人工的に埋め立ててもそこに領有権は主張できない。

米政府は中国政府が、領有権主張を支えるために南シナ海に軍施設を建設しているとみている。これに対して中国は、人工島造成は合法だと主張している。

この話題についてさらに読む