生徒を投げ飛ばした米警官、解雇 

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警官が生徒投げ飛ばし……米司法省が調査へ

米南部サウスカロライナ州の高校で、女子生徒が警官に床に投げられ引きずられる様子を捉えたビデオが浮上した問題で、同州リッチランド郡のリオン・ロット保安官は28日、ベン・フィールズ副保安官を解雇したと発表した。副保安官は学校の常駐警官だった。

ロット保安官は会見で、副保安官が「適正手続きに従わなかった」と説明。「生徒を投げるべきではなかった。ほかに対応する方法はあり、そのための訓練を受けていた。生徒を投げる訓練は受けていない」と述べた。

同州コロンビアのスプリングバリー高校で起きた問題について保安官事務所は、女子生徒が教室から退出するよう命じられたのを拒否したため、常駐警官が呼ばれたのだと説明した。女子生徒にけがはないという。

別の生徒が撮影したビデオでは、警官が女子生徒を倒して床を引きずる様子が映っている。

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Image caption フィールズ警官は勤務していた別の小学校で表彰されていた(2014年11月2日)

ロット保安官は、同高校で7年間担当してきたフィールズ副保安官について、学校職員や保護者たちから支援の声も上がっていると述べた上で、今回は「抑制が利かなくなり」、正しい対応をしなかったと認めた。

「法の執行にふさわしい適切な対応ではない。われわれの方針とは異なるため、この20分前にベン・フィールズ警官をリッチランド郡保安官事務所から解雇した」と保安官は述べた。フィールズ氏は「悔いているとは言えないが、事態が起きたことは残念だと話している」という。

さらにフィールズ氏の勤務態度について何度か苦情が持ち上がったことがあり、確認できたものも中にはあると認めた。

AP通信によるとフィールズ氏はこれまでに3回訴えられているが、そのうち2回の訴えは退けられている。

  • 2013年に退学処分となった元生徒が、フィールズ氏は黒人生徒をことさら標的にし、自分がギャングの一員だと事実と異なる報告をされたと提訴。初公判は来年1月。
  • 2005年には、近隣住民の騒音苦情で駆け付けたフィールズ氏に、過剰暴力を振るわれたという黒人カップルの訴えを、連邦陪審が退けた。
  • 2006年の逮捕時に暴力を振るわれ権利を侵害されたという女性の訴えは、2009年に却下されている。

今回の問題でフィールズ氏は刑事訴追されていないが、司法省と連邦捜査局(FBI)は権利侵害の疑いで捜査を開始している。

ロット保安官は、引きずられた女子生徒は絨毯にこすれて擦り傷を負った以外はけがをしていないとしているが、生徒のトッド・ラザフォード弁護人はABCテレビの情報番組で「腕にギブスをして、首と背中にけがをしている」ほか、絨毯で額をこすられたため絆創膏を貼っていると説明した。


同校の生徒たちは、フィールズ氏が過去にも似たようなことをしたのを見た、今回初めて撮影できたとツイートしている。

ビデオを撮ったトニー・ロビンソンさんは地元テレビ局WLTXに対して、女子生徒が授業中に携帯電話を取り出し、注意されてもしまわなかったことが問題のきっかけだったと話した。

学校側に呼ばれたフィールズ氏が女子生徒に教室を出るよう要求したが、生徒は何も悪いことはしていないと反論したため、副保安官が生徒をつかんだのだという。

「何が起きるか分かった時、即座に録画しなきゃと思った。何かが起きると思って……みんなに見てもらわなきゃならない何か。ただやりすごすのはだめだと思ったので。間違ってるから。警官があの子にあんなことをしていいなんて、そんなまともな理由は何もないので」とロビンソンさんは話した。

フィールズ副保安官はスプリングバリー高校に常駐する「スクール・リソース・オフィサー(SRO)」で、生徒や学校設備を守り、防犯活動や薬物対策を推進することがその任務だった。


スクール・リソース・オフィサーとは?

  • 「地域防犯」活動の一環として、学校に警官を常駐させる
  • 「犯罪や薬物乱用、暴力を減らし、安全な校内環境を確保する」ための対策を提供
  • 校外のスポーツ・イベントや校外学習、修学旅行などで生徒たちに同行する
  • 低学年の生徒たちには薬物防止教育を提供
  • 学校が「持ち場」となる

出典・リッチランド郡保安官事務所

(英語記事 US police officer fired for student assault in South Carolina

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