2018年W杯のロシア開催は投票前に決まっていた=ブラッターFIFA会長

Sepp Blatter Image copyright Getty Images
Image caption ゼップ・ブラッター会長

国際サッカー連盟(FIFA)から活動停止処分を受けているゼップ・ブラッター会長は、2018年ワールドカップ(W杯)のロシア開催は、投票前にすでに決まっていたと示唆した。2010年に将来のW杯について「話し合い」がもたれたのだという。ロシアのタス通信に語った。

ブラッター会長はさらに、カタール開催に決まった2022年W杯については、米国開催が同様に事前に決まっていたものの、実際の投票時にかなりの票数がカタールに流れたのだと話した。

「東欧で開催したことがなかったので(2018年は)ロシアだと内々で決めていたし、2022年はアメリカに戻ると打ち合わせしてあった。そうすれば2大政治大国でW杯を開くことになるので」と会長は述べた上で、欧州からの4票がアメリカからカタールに流れたのだと説明した。

2018年と2022年の大会開催地決定については、スイス当局が刑事捜査に着手している。これと並行して米司法省も、FIFA幹部による汚職事件を捜査している。

さらにブラッター会長と、会長後任を目指すプラティニ副会長による不正行為疑惑が取りざたされており、2人はFIFAから90日間の活動停止処分を受けているが、共に不正への関与を否定している。

2018年開催を目指したイングランドの招致委は

2018年開催を目指したイングランドのW杯招致委の担当者だったサイモン・ジョンソン氏は、ブラッター会長の発言に激怒。イングランド・サッカー協会(FA)は「FIFAに法的措置を取る権利はいくらでもある」と力説している。

FAは2018年大会招致のために2100万ポンド(約39億円)を費やした。このうち250万ポンド(約4億6300円)が誘致を期待する地方自治体からの公的資金だった。

ジョンソン氏はBBCラジオLink5に生出演し、「FIFA幹部からは一貫して、強力な招致運動を展開して、良いプレゼンをすれば可能性はかなりあると言われ続けていた」と説明。招致委は「ルールに従い」、投票「前夜まで」「可能性は十分にある」と思い込んでいたと付け加えた。

FAのダイク会長は、2018年開催地決定に関するブラッター発言についてFAとしても事実関係を調査すると述べた。英下院の文化・メディア・スポーツ委員会に出席した会長は、「納税者の金が取り戻せれば喜ばしい」と発言。FAとしても「担当弁護士たちに相談するが、これは未経験の領域だ」と述べた。

ブラッター氏はほかに何を

タス通信とのインタビューは多岐にわたり、ブラッター氏はほかにも次のように発言した。

  • ロシアが2018年大会の開催権を失うことは「ありえない」
  • 2018年と2022年大会の開催地決定を英メディアが批判するのは、イングランドの「往生際が悪い」からだ
  • 欧州サッカー連盟(UEFA)が後押しするFIFA会長候補ジャンニ・インファンティノ氏は、ほとんどの国のサッカー協会に「好かれていない」
  • 自分へのFIFAの処分は「まったくナンセンス」でFIFA倫理委には失望した

ブラッター氏は、自分の後任を決める来年2月の総会までに自分の活動停止処分が切れることを「夢見ている」とも述べた。

さらに2014年のブラジル大会の後に退任すべきだったが、FIFA内でUEFAが強大になりすぎるという懸念のため留まったと説明。「UEFAには資金と選手が揃っているので、すべてを牛耳ってしまう懸念がほかの連盟にはある。UEFAにはアンチFIFAウイルスに感染しているのだ」とも述べた。

プラティニ氏の「嫉妬」について

UEFAのプラティニ会長はFIFAの副会長でもある。そしてタス通信に対してブラッター会長はプラティニ氏をとりわけ批判し、「ねたみと嫉妬」がその動機だと非難した。

ブラッター氏への顧問料として2011年にプラティニ氏に支払われた135万ポンド(約2.5億円)についてFIFAが調査する間、2人は活動停止の処分を受けている。資金が支払われたのは、ブラッター氏が再選を目指す2011年のFIFA会長選に出馬しないとプラティニ氏が決める、数カ月前のことだった。

「当初はただの個人攻撃だった。プラティニ対私だった」とブラッター氏。「むこうが始めたことだ。それが次第に政治問題になり、政治問題になったとたん、プラティニ対私の問題ではなくなった。もはやW杯招致に失敗した国の問題になった。イングランド対ロシア。そしてアメリカ対カタールだ」。

「プラティニはFIFA会長になりたがったが、その勇気がなかった。おかげでサッカーは今こんなことになっている」

プラティニ氏の反撃

28日付の英紙デイリー・テレグラフによると、プラティニ氏はあくまでも2月の会長選でブラッター氏の後任を目指していくと強調した。

プラティニ氏によると、135万ポンドは「会長顧問だった4年間の報酬の未払い分だ。会長自身が提示した契約と報酬額を受け入れた」のだという。

「なので、はっきりさせておこう。業務を提供したのか? した。スイスで口頭の契約は合法か? 合法だ。9年後であっても私は支払いを受ける権利があったか? あった。FIFAが求めたとおり適正な請求書を提出したか? した。税務署に申告したか? した」

プラティニ氏は、ブラッター氏との不和はFIFAとUEFAのライバル関係に由来するもので、両組織が「そもそも対立関係にある」のだと補足。

「ゼップ・ブラッターとの関係は2015年になって、さらに悪化した。2011年の約束をたがえて、また再選されようとしたのだから」

プラティニ氏は、FIFA倫理委が自分を処分する前に事実関係を十分に調査しなかったと批判。名誉回復のため最高レベルの司法の場で争うつもりだという。

FIFA倫理委の報道担当はBBCスポーツの取材に対して、ブラッター会長の発言を「興味深く読んでいる」と述べたが、それ以上はコメントしなかった。プラティニ氏の発言にもコメントしなかった。

一方でスイス当局は、汚職容疑で逮捕したブラジルサッカー協会のホセ・マリア・マリン元会長(83)が、スイスから米国への身柄送還に合意したと明らかにした。米司法省の訴追に基づき今年5月にチューリッヒで逮捕されたFIFA関係者7人のひとり。

(英語記事 Sepp Blatter: Russia 2018 World Cup 'agreed before vote'

この話題についてさらに読む