ロシア軍機、パルミラ周辺 のISを空爆と

Palmyra's castle, known as Qalaat Shirkuh or Qalaat Ibn Maan, overlooking the Roman-era ruins (file) Image copyright AFP
Image caption パルミラの城塞「カラート・イブン・マーン」はローマ時代の遺跡を見下ろす丘の上に、13世紀に建立され、17世紀に修復されたと考えられている(資料写真)

ロシア国防省は2日、シリアの古代都市パルミラ周辺の過激派勢力「イスラム国」(IS)拠点を空爆したと発表した。「スホイ25(SU-25)」攻撃機が要塞や地下壕(ごう)、対空砲などを破壊したという。

地元の活動家はAP通信の電話取材に対して、2日にはパルミラの城塞周辺で8回の空爆があり、「カラート・シルク」ないしは「カラート・イブン・マーン」と呼ばれる城塞の建つ高さ約150メートルの丘の上まで砂煙が上がっていたと話した。

ロンドン拠点の非政府組織「シリア人権監視団」も、ISが8月に制圧した近くのアル・カリヤタインの町も空爆を受けた様子だと報告している。

「カラート・イブン・マーン」と呼ばれる城塞は17世紀の建立とされてきたが、その基礎は1230年にホムスの領主が建てたものという。

シリア文化財保護団体は10月、城の一部がシリア政府軍の、たる爆弾攻撃で損傷を受けたと報告していた。

5月にパルミラとその周辺を制圧したISはこれまでに、築2000年の神殿や凱旋門などを破壊している。


パルミラの古代都市遺跡とは

  • ユネスコ世界遺産。
  • 古代世界で重要な文化の中心だった都市の遺構が残る。
  • 紀元1世紀から2世紀にかけて成立。ギリシャ・ローマ様式に地元の伝統やペルシャの影響が合わさった、文化財や建築が残る。
  • 大規模な遺構、1000以上の支柱、500以上の墓所を擁する大がかりな共同墓地などがある。
  • シリア内戦の前は毎年15万人以上の観光客がパルミラを訪れていた。

地元で「タドムール」と呼ばれる現在のパルミラの町は、シリアの首都ダマスカスと東部の都市デイル・アルズールをつなぐ道路の、戦略的に重要な場所に位置する。

古代都市パルミラは現在のパルミラに近い砂漠の中にあり、ユネスコなどは古代世界の記録をとどめる世界で最も重要な史跡と位置付けている。


2015年にISが破壊した歴史的遺跡や文化財

1月―イラク北部モスルの中東図書館を襲撃し、数千冊の書籍を焼却。

2月―モスルの中央博物館でメソポタミア文明の石像などを破壊したとするビデオが浮上。

3月―イラクでも最も貴重な遺跡のひとつ、古代アッシリアの遺跡ニムルドを爆発物とブルドーザーで破壊。その後まもなく、ハトラの遺跡も破壊。

8月―パルミラのバール・シャミン神殿とベル神殿を破壊

10月―パルミラの凱旋門を破壊

Image copyright European Space Imaging, Digital Globe
Image caption パルミラ(タドムール)の地図

(英語記事 Russia warplanes bomb IS positions in Palmyra

この話題についてさらに読む