ベイルートで連続自爆攻撃、200人以上死傷

Footage from the scene of the blasts Image copyright Reuters
Image caption 自爆攻撃の現場から運ばれる被害者たち(12日)

レバノン当局によると、首都ベイルート南部の住宅街で12日夕方に自爆攻撃が相次ぎ、少なくとも37人が死亡、181人が負傷した。内戦が25年前に終結して以来、レバノン国内で最悪の爆弾攻撃という。

爆破犯2人は現地時間午後6時ごろ、イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」が拠点とするブルジ・アルバラジネの混雑する往来で、近距離で相次いで自爆。スンニ派過激派勢力「イスラム国」(IS)が犯行声明を出したが、確認はされていない。

サラム首相は「正当化されない」攻撃だと非難し、「対立を作り出そうと企む」国内各派に協調を呼びかけた。

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Image caption 近距離で自爆攻撃2件が相次ぎ、さらに近くでは3人目の未遂犯が発見された(12日)

「罪のない人たちを標的に

治安関係者はAP通信に対して、最初の爆破犯はシーア派モスク(イスラム教寺院)の外で爆弾を仕込んだチョッキを爆発させた。2人目は近くのパン屋店内で自爆したという。

さらに近くでは3人目の自爆犯のものと思われる遺体が発見された。男は自分の爆弾チョッキを爆発させる前に、2件目の爆発で死亡したものと思われる。

目撃者の1人は地元テレビ局に「商店街に着いたばかりの時に爆発が起きた。自分の手で4人の遺体を運んだ。女性3人と男性1人、自分の友人だ」と話した。

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Image caption 連続爆破の現場(12日)

別の目撃者は「2発目が爆発したとき、この世が終わったかと思った」と話していた。

事件後にISは犯行声明を出し、3人の自爆犯についてパレスチナ人2人とシリア人だと説明している。

ロイター通信によると、ヒズボラは「テロリスト」との戦い継続を誓うと声明を出し、「長い戦争」になると警告している。

ヒズボラのビラル・ファルハト議員はAP通信に「連中は民間人や信徒、女性やお年寄りを標的にした。罪のない人ばかりを狙ったのだ。これは背教者による、悪魔的なテロ行為だ」と非難した。

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Image caption 攻撃では子供も負傷して病院に運ばれた(12日)

ベイルート南部のヒズボラ拠点は2013年と2014年にも相次ぎ爆弾攻撃を受け、この時もスンニ派過激派勢力が自分たちの攻撃だとして、ヒズボラが隣国シリアのアサド政権支援のために兵士をシリアへ送り込んでいることを非難していた。

ヒズボラはここ数週間の間にもシリア軍支援のため、シリアの反政府勢力やISが抑えるシリア北部に補強部隊を送り込んでいる。

レバノンは今のところ、政治的に膠着し、夏には未回収ゴミの問題で大規模なデモが相次ぐなど、不安定要因はあるものの、脆弱な安定をなんとか維持している国だと、BBCのアラビア情勢アナリスト、セバスチャン・アッシャーは指摘する。そのレバノンで今回の爆弾攻撃の犯行声明をISが出したのは意外ではないが、15年間続いたレバノン内戦の亡霊を呼び覚ますような激しい攻撃だったとアッシャー氏は懸念している。

(英語記事 Beirut attacks: Suicide bombers kill dozens in Shia suburb