米軍が「ジハーディ・ジョン」標的にシリア空爆

Jihadi John
Image caption ジハーディ・ジョン

米国防総省は12日、過激派勢力「イスラム国」(IS)の戦闘員で「ジハーディ・ジョン」と呼ばれる英国人モハメド・エムワジを標的に、シリア・ラッカ付近を空爆したと発表した。エムワジ容疑者を殺害したかはまだ確認中という。

クウェート生まれの英国人エムワジ容疑者は、日本人の後藤健二さんと湯川遙菜さんのほか、多くの人質を殺害するビデオに登場していた。

米政府筋はBBCに対して、エムワジ容疑者を乗せた車両を「慎重に一定期間追跡した」後に、この車両を攻撃したのだと話した。

AP通信によると、米政府筋は小型無人機が使用されたと話している。

国防総省のクック報道官は、「今晩の作戦結果を精査中で、追加情報は後に適宜公表する」と述べた。

英首相官邸の報道官は、「モハメド・エムワジ空爆に関する米政府発表について、承知している。米政府と同様、我々も現時点ではこれ以上のコメントは控える」と話している。

人質ビデオ

エムワジ容疑者は2013年にシリアへ移動し、後にいわゆる「イスラム国」に加入したと思われている。

最初にISのビデオに登場したのは昨年8月で、米国人ジャーナリスト、ジェイムズ・フォーリーさん殺害のビデオに映っていた。

後に米国人ジャーナリストのスティーブン・ソトロフ氏、人道支援団体の英国人職員デイビッド・ヘインズさん、英国人タクシー運転手アラン・へニングさん、人道支援団体の米国人アブドル・ラフマン・カシッグさん、日本人ジャーナリスト後藤健二さんたちを殺害するビデオにも映っていた。

当初「ジハーディ・ジョン」と呼ばれた男はビデオでは常に黒衣姿で、黒い覆面で顔を覆っていた。

今年2月に、西ロンドン出身のモハメド・エムワジと身元が公表された


モハメド・エムワジ容疑者とは

  • 1988: クウェートで生まれる。1994年に英国移住。
  • 2009: ウェストミンスター大学でコンピューター関連の学位を取得。
  • 2009年8月: 友人2人とタンザニア旅行。ダルエスサラームで入国を拒否されアムスタルデムへ移送される。取り調べの後、英ドーバーへ帰国し、改めて事情聴取される。
  • 2009年9月: 仕事のためクウェートを訪れ、父親の家族を訪問。
  • 2010年5~6月: 英国に8日間の一時帰国。
  • 2010年7月: 再び英国に帰国。クウェートに戻ろうとするも、ヒースロー空港でビザが失効しているため出国できないと知らされる。クウェート再入国のビザ発行されず。
  • 2012: 英国教師資格取得。
  • 2013: 届出提出によりモハメド・アルアヤンに改名。クウェート渡航を試みるも入国を拒否され、後に失踪。両親が警察に行方不明届を提出。4カ月後、シリアに入国したと警察が両親に伝える。

出典:Cage


今年初めには、エムワジ容疑者が2013年にシリアへ向かう前から何度か中東を訪れていた行動の履歴が明らかになった。2009年8月のタンザニア旅行が、英治安当局に知られるようになったきっかけだと見られている。

氏名が公表されてから、エムワジ容疑者が過激主義に傾倒していった過程について、対テロ戦争に反対する英団体「Cage」が、英保安局(MI5)との接触が影響しているのではないかと指摘した。

しかし英首相官邸はこれに対して、そのような指摘は「まったく不当だ」と反論し、キャメロン首相はMI5を擁護していた。

Image caption シリア入りするまでの「ジハーディ・ジョン」の行動

(英語記事 'Jihadi John': US air strike targets Islamic State militant in Syria