シカゴの黒人少年射殺から1年で警官起訴 現場映像公開

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シカゴ警察が黒人青年射殺ビデオ公開 市民が抗議デモ

米イリノイ州シカゴで昨年10月に白人警官が17歳の黒人少年に16回発砲して死なせた事件で、同州検察は24日、警官を第一級殺人罪で起訴した。シカゴ市当局はさらに、現場を映したパトカーの車載カメラ映像を公開した。

昨年10月にシカゴ市内の路上を歩いていたところ、射殺されたのは、当時17歳のラクアン・マクドナルドさん。州検察の調べによると、少なくとも銃弾2発が背中にあたっている。

調べによると、ラクアン・マクドナルドさん(当時17歳)は昨年10月夜、刃渡り約8センチのナイフを手にして路上を歩いていたところ、警察に呼び止められた。警官たちはナイフを手放すよう呼びかけたが、マクドナルドさんは応じなかったという。後から現場に到着した白人警官ジェイソン・バンダイク被告は現場到着30秒後、パトカーを降りて6秒後に発砲。9ミリ口径の自動短銃(16連発)で16回発砲したという。現場にいた警官8人のうち、発砲したのはバンダイク被告のみだった。

バンダイク被告は、マクドナルドさんがナイフを手放さなかったため命に危険を感じたと弁護士や警察労組などを通じて主張している。

しかしアルバレス州検事は、警官による発砲は不当だと指摘。確かにマクドナルドさんは呼び止められた際にナイフを手にしていたが、警官たちを脅したり近寄ったりしたわけではないという。

「警官には職務を遂行してもらいたいが(略)中には過剰な問題行動を起こして法律に違反する者もいる」と検事は批判した。

一方でシカゴ市警は、マクドナルドさんがナイフで警官たちを脅し、パトカーのタイヤに切り付けたと主張している。

米国で白人警官による黒人に対する過剰暴力が相次ぎ問題となるなか、パトカーの車載カメラビデオが公開されれば、市内で激しいデモや暴動を引き起こすのではないかと懸念されていた。

シカゴ警察労組はビデオの公表が、陪審員の印象を不当にゆがめるとして、公表に反対していた。

一方でシカゴ市のラーム・エマニュエル市長は記者会見し、「感情豊かなのは良いことだが、落ち着いた行動をとり続けるのが大事だ」と平静を求めた。

イリノイ州のラウナー知事は、ビデオを強く問題視し、市民の強い反発が予想されると懸念を表明した上で、「思慮深く落ち着いた」反応を期待すると述べた。

ミネソタ州ミネアポリスでは23日、警察暴力に抗議するデモで白人男性3人が発砲し、5人が負傷した。

<分析>

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Image caption 少年を射殺したジェイソン・バンダイク警官は出頭した

ラジニ・バイディヤナタン、BBC北米特派員

ミズーリ州ファーガソンの暴動から1年。アメリカはまたしても、10代黒人少年が警察に射殺された事件について話しあっている。

ラクアン・マクドナルドさん殺害の現場を捉えたパトカー映像の公開を、多くのシカゴ市民が求め、1年にわたり活動を続けた。その運動が、ようやくビデオ公開につながった。

ファーガソンでは現場映像がなかった。そのため、警官のカメラ着用義務化を求める声が全米に広まった。そしてファーガソンで18歳の黒人青年マイケル・ブラウンさんを射殺したダレン・ウィルソン警官について、大陪審による不起訴の決定は果たして正しかったのか、いまだに激しい議論が続いている。

一方でこのシカゴの事件については、ジェイソン・バンダイク警官が第一級殺人罪で訴追された。

時間がかかりすぎたという不満はたくさんある。しかしシカゴは全米でも最も多様な人口構成の大都市のひとつなだけに、今回の訴追とビデオ公表によって、緊迫する住民感情が和らぐよう、市当局は期待している。

Image copyright Chicago Tribune
Image caption ラクアン・マクドナルドさん追悼のメッセージ

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