トルコ記者2人がスパイ罪で起訴 「トルコ情報部が武器をイスラム過激派に」報道で

イスタンブールの裁判所前で報道陣に答えるトルコ紙ジュムフリエト編集局長(右)と同紙アンカラ特派員エルデム・ギュル記者(26日) Image copyright AP
Image caption イスタンブールの裁判所前で報道陣に答えるトルコ紙ジュムフリエト編集局長(右)と同紙アンカラ特派員エルデム・ギュル記者(26日)

トルコ政府の情報部がシリアのイスラム武装勢力に武器を提供したという記事を掲載したトルコ日刊紙ジュムフリエト(共和国)の高名な編集局長と記者が、スパイ罪で起訴された。

ジュムフリエト紙のジャン・ドゥンダル編集局長とアンカラ支局のエルデム・ギュル支局長は、有罪となれば終身刑を受ける恐れがある。2人とも罪状を否認している。

同紙は、トルコの情報部「国家情報機構(MIT)」のトラックが、イスラム主義のシリア反政府勢力に武器を運んだと報道した。同紙は記事と共に、トラックを停車させたトルコ警察が武器や弾薬の入った箱を荷台に発見した様子という映像を公表している。

トルコ政府は報道の自由を尊重していないと、これまでも厳しく批判されている。

「重い代償」

報道に対して政府は、MITのトラックはシリアのトルクメン系住民に援助物資を運んでいたのだと説明している。トルクメン人はトルコ語を話すシリアの少数派民族。

トルコのエルドアン大統領も自ら同紙を提訴。今年5月にはテレビで「同紙の行ったことはスパイ行為だ。この記事の筆者は重い代償を払うことになる」と述べていた。

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Image caption エルドアン大統領

トルコ当局は、ドゥンダル編集局長とギュル支局長がスパイ行為を行い、「フェトフラ・ギュレン」運動を支援した罪で訴追している。米在住の宗教指導者フェトフラ・ギュレン氏はかつてエルドアン氏の強力な支持者だったが、その支持者団体は今ではトルコ政府からテロ組織認定されている。

「(当局は)なぜあの記事を載せたのかと聞いてくるのだ」とドゥンダル氏は述べ、「報道の歴史にはウォーターゲートやウィキリークスなど、国家がいかに一部の事実を隠そうとするかという事例が溢れている。しかし明るみに出すことが、全体の利益につながるのだ」と記事の意義を強調した。

報道の自由を掲げる諸団体は、ドゥンダル氏らの訴追を厳しく批判している。

「国境なき記者団(RSF)」のエロル・オンデロギュルさんは「トルコは欧州連合(EU)加盟に向けて様々な改革を約束し、基本的人権や自由の必要な水準を達成すると約束しているが、今回の件でその約束を大きく違えることになる」と批判した。

RSFの2015年版「報道の自由度ランキング」で、トルコは180カ国中149位だった。

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