ソウルの寺院に立てこもりの労組幹部、投降

ハン・サンギュン氏は寺院に1カ月近く立てこもっていた(1日撮影) Image copyright EPA
Image caption ハン・サンギュン氏は寺院に1カ月近く立てこもっていた(1日)

韓国の警察は10日、ソウルの仏教寺院に逃げ込み1カ月近く立てこもっていた労組幹部が投降したのを受けて、逮捕した。全国民主労働組合総連盟(KCTU)のハン・サンギュン委員長は11月14日の大規模な反政権デモで暴力を扇動したとして、警察に手配されていた。

警察は9日にハン委員長が逃げ込んだソウル中心部の曹渓寺に突入しようとしたが、寺の僧侶たちが警察突入は宗教弾圧になると再考を求めたため、中断していた。

曹渓寺を本山とする大韓仏教曹渓宗は「もし警察が突入すれば、(略)国家による曹渓宗弾圧に等しく、韓国仏教全体の弾圧にもなる」と声明を発表していた。

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Image caption ハン委員長が投降すると寺が発表した時点で、突入作戦はすでに始まっていた。写真は9日夜に曹渓寺を包囲した警官たち。

9日夜に警官数百人が曹渓寺を包囲する中、曹渓寺の貫主は記者会見を開き、宗派として事態を10日正午までに解決すると述べて時間的猶予を求めた。これを受けて警察は強制捜査を中止した。

ハン委員長は10日、本殿に拝礼した後、支援者やマスコミに挨拶し、待ち受ける警察に投降した。

韓国では1980年代に政治活動家の多くが、キリスト教会など宗教施設に避難した。警察による強制捜査を禁止する法律はないが、今回警察は強制執行を見合わせた。

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Image caption 11月14日の反政府集会は近年で最大級だった

ソウルで11月14日に開かれた反政府集会では、労働者の解雇手続き簡素化から歴史教科書の国定化に至るまで、様々な政府の動きに反対する人たち約6万人が集まった大規模なものだった。

政府は集会は違法だったとしており、金属パイプや竹槍を持って抗議する人たちに警察は催涙スプレーや水砲を使い制圧しようとした。

これを受けて今月5日には政府の対応に抗議し朴槿恵大統領に謝罪を求める集会がソウルで開かれたが、参加者は1万4000人にとどまった。

朴大統領は、労働者の解雇手続き簡素化やベテラン労働者の給料上限設定を検討しているため、労組や農業関係者に批判されている。しかし世論調査によると、大統領の労働政策は国民全体には支持されている様子がうかがえる。

BBCソウル特派員のスティーブン・エバンズ記者は、韓国では保守系政府とその政策を民主的でないと批判する左派の間の対立はより先鋭化していると指摘している。

(英語記事 Fugitive South Korean union boss in temple surrenders

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