シリア反政府勢力、協議枠組みに合意

ハマ県カフルナブダの反政府戦闘員(2015年10月11日撮影) Image copyright Reuters
Image caption シリア反政府勢力のほとんどが和平協議に関わるのは初めて。写真はハマ県カフルナブダの反政府戦闘員(2015年10月11日撮影)

シリア政府に対抗する政治家や武装勢力がサウジアラビアの首都リヤドに集まり、政府との和平協議を進める上での原則を発表した。ただし有力な武装勢力が合意しているかについて、情報が錯綜している。

ロイター通信によると反政府勢力は、シリアの「あらゆる派閥を代表する多様性のある政権を通じた、民主的な仕組み」を支持。国家組織の存続や治安部隊の再建の必要性でも合意した。

声明はさらに、権力移譲の移行期間にアサド大統領や側近がいかなる役割を担うことも認められないと強調した。

反政府勢力の中でも有力な「アフラル・アル・シャム」が声明に署名したかは、情報が錯綜している。

アフラル・アル・シャムはこれまでに、現政権に近い人たちの役割が大きすぎると抗議し、協議から退いていた。しかしロイター通信は、2日間にわたる協議の後に声明文の写しに署名したと伝えている。

シリア情勢について世界の主要国は、反政府勢力の統一的な代表とアサド政権が来年1月1日までに内戦の政治的終結に向けた協議を開始するよう求めている。

反政府勢力はこれまで、協議開始の条件としてアサド大統領の退陣を求めていた。しかし今回の新たな声明は、移行政権が設置されるまでは現職の留まることを認めている。

サウジアラビア紙「アル・ハヤト」のシリア担当、イブラヒム・ハミディ氏はBBCに対して、これは反政府勢力側における「大きな変化」だと指摘した。

リヤドで2日間続いた会議では、欧米が支援する反政府政治組織「シリア国民連合」や「シリア全国調整委員会」(NCC)などが出席。「アフラル・アル・シャム」など主要な反政府勢力の代表も出席した。アサド政権はNCCの存在はかろうじて容認しているが、関係者の妨害や拘束が報告されている。


<分析>ジム・ミュイル、BBC中東特派員

シリアの多彩な反政府勢力が政権との和平協議に参加するための枠組みと仕組みを作り出すことが、リヤド会議の意義だ。

これこそアメリカをはじめとする各国が意図していたもので、来年1月早々に開始する反政府と政権の協議開始に向けて予定されている、関係諸外国の準備会合(イランとロシアを含む)の下地となる。

しかしだからといって、あとは順風満帆というわけにはいかない。


2011年3月に始まったシリア内戦では25万人以上が死亡し、1100万人が家を追われている。

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Image caption アサド大統領(2015年7月6日)

「アフラル・アル・シャム」とは?

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  • 超保守的なイスラム主義、ないしはサラフィー主義の反政府勢力で、アサド政権を打倒した後にイスラム主義国家の樹立を目指す
  • 新国家樹立は武力でなく投票で実現すると誓約
  • 反政府連合ジェイシュ・アル・ファタハに参加。連合にはアルカイダ系のアル・ヌスラ戦線も加わっている。
  • 10日にはリヤド会議の参加中止を表明したが、今では合意に署名したとの報道もある
  • 「政権につながる人物」(NCC関係者への言及)に「主要な役割」が与えられていることに異議を唱え、「革命勢力」の参加が不十分だと批判していた。

Image caption シリアの勢力地図(2015年12月8日)

アサド氏を強力に支援し9月から政権支持のための空爆を開始したロシアは、移行政権の設置を呼びかける2012年のジュネーブ・コミュニケの履行を支持している。

しかしアサド大統領は、選挙実施前に自分が退陣することはあり得ないと述べ、国が「テロリスト」に占領されている間は和平協議の開始は不可能だと警告している。大統領はすべての反政府勢力を「テロリスト」と呼ぶ。

一方でケリー米国務長官は、アラブ連盟、欧州連合(EU)、国連のほか17カ国が参加する新たな「国際シリア支援グループ」(ISSG)が、12月18日にニューヨークで会合を開こうと努力しているところだと表明した。

シリア北部の大半を支配するクルド系シリア人はリヤドの会議に招かれず、シリアの今後について独自の会議を同時に開いた。

(英語記事 Syria conflict: Opposition agrees framework for peace talks

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