北朝鮮の水爆保有主張、米国は「非常に疑わしい」と

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Image caption 朝鮮中央通信(KCNA)が2015年12月5日に配信した金正恩氏の写真

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が水素爆弾を所有していると発言したことについて、米政府は発言の信ぴょう性を「非常に疑わしい」と疑問視する姿勢を示した。

朝鮮中央通信(KCNA)は10日、第1書記が平壌の「平川革命事績地」を視察した際に「我が国は自主権と民族の尊厳を守る自衛の核爆弾、水素爆弾の爆音を響かせることができる強大な核保有国になれた」と述べたと報道した。

もし本当なら北朝鮮の核能力が一気に向上したことを意味するが、米ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト大統領報道官は、米政府が得ている証拠によると北朝鮮の主張は「非常に疑わしい」と述べた。そのう上で報道官は「北朝鮮政権が核兵器開発を目指していることによる危険と脅威は、非常に深刻に受け止めている」と補足した。

北朝鮮はこれまで核兵器保有と戦闘力について様々な主張を重ねてきたが、原子爆弾より強力な水爆への言及は初めて


北朝鮮と核兵器

北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場の衛星写真

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Image caption 北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場の衛星写真

2002年10月: 北朝鮮、核開発計画の存在を初めて認める

2006年10月: 北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場で核実験実施。これを皮切りに2013年2月までに合計3回の核実験を繰り返した。

2009年5月: 核開発をめぐる6カ国協議から離脱した翌月、2回目の核実験を実施。

2013年2月: 3回目の核実験を実施。「小型化し軽量化した核爆弾」とKCNAは伝えた。

2015年5月: 潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験を実施と発表。水中発射は他のミサイルより探知が困難。


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Image caption 平壌の軍施設を視察する金正恩氏

北朝鮮はこれまでに核実験を3回実施したが、今回の水爆保有宣言については専門家たちも疑問視している。

ロンドンのシンクタンク「王立国際問題研究所」(チャタム・ハウス)のアジア・プログラム責任者ジョン・ニルソン=ライト博士は、北朝鮮の指導者がこれまで繰り返してきた大げさな主張と同様で、「世界の注目を引き付けて北朝鮮の自立性と自らの政治的権限を強調するため」の言動だろうと解説した。

韓国・科学技術政策院のイ・チョンギュン研究フェローは聯合通信に対して、「北朝鮮が水爆を持っているとは考えにくいが、開発しようとしているのだと思う」と述べた。

独立した第三者が北朝鮮の国内視察を認められることはほとんどなく、当局の主張を確認するのは難しい。

(英語記事 North Korea's H-bomb claim dismissed by US

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