中国・人権弁護士の初公判 判決下らず

美術家アイ・ウェイウェイ氏の弁護を務めたこともある浦氏の裁判は国際的にも注目されている(写真は2011年11月) Image copyright AFP
Image caption 美術家アイ・ウェイウェイ氏の弁護を務めたこともある浦氏の裁判は国際的にも注目されている(写真は2011年11月)

中国で最も注目される人権派弁護士の一人、浦志強氏の初公判が14日、北京市第2中級人民法院(地裁)で開かれた。裁判所の前では外国の報道陣や外交官、支援者らが集まっていたが、入り口で警官ともみ合う場面も見られた。

浦志強氏が訴追されている罪状は、「民族間の憎悪の扇動」と「けんかを売り問題を起こした」などの内容。浦氏の家族が記者団に語ったところによると、判決は保留された。

浦氏の裁判は、中国政府が弁護士や反体制派、汚職容疑がかけられた人々への取り締まりを強化するなかで行われた。

浦氏は、中国共産党を揶揄するコメントや、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族や、チベット独立運動をめぐる政策に疑問を呈する発言をソーシャルメディアに投稿していた。有罪判決を受けた場合には最長8年の禁錮刑を受ける可能性がある。

浦氏の家族によると、同氏はすべての罪状について無罪を主張した。浦氏の妻は公判の傍聴が許された。

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BBC記者、中国警察に強制排除され 人権派弁護士裁判で

力ずくで連行

裁判所は判決をいつ下すのか明らかにしていない。BBCのジョン・サドワース記者は政府が司法に対し強い影響力を持つことから浦氏が無罪判決を受ける可能性はないに等しく、相当な期間の禁錮刑を受けるとみられると指摘する。

浦氏は昨年5月、天安門事件から25年を記念するイベントに出席して以来、身柄を拘束されている。浦氏は事件当時に学生で、天安門の抗議活動に参加していた。

裁判を傍聴した浦氏の家族は、浦氏がかなりやせ、白髪が増えていたものの、健康そうで思考も明瞭だったと記者団に語った。

裁判所の前では、浦氏の友人や支援者ら少人数のグループが集まり、抗議を行った。数人が警察に連行され、BBCの取材チームは少なくとも1人の女性が力ずくで連れ去られるのを目撃している。

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Image caption 少なくとも抗議活動に参加した1人が力ずくで裁判所前から連行された
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The BBC's John Sudworth was pushed away by security officials as he tried to report from outside court

<英語ビデオ>BBCのサドワース記者は治安当局者に撮影を妨害された

米国の外交官は裁判所前で声明を読み上げ、中国の弁護士や市民団体の幹部が「絶え間ない抑圧」に耐えさせられるべきでないとし、憲法でうたわれている人々の権利を中国政府が尊重するよう求めた。

欧州の外交官も現場にいたが、声明の読み上げを妨害された。

支援者がソーシャルメディアに投稿した写真から確認できた声明文の内容は、今回の裁判について「中国の憲法が保障する集会、意見表明、表現の自由との整合性に大きな疑問」を持たせると指摘している。

Image caption 私服でマスクをした治安当局者の胸には「スマイリーマーク」のバッジが

多くの国の外交官が裁判所に前に集まっていたが、裁判所内に入ることはできなかった。

中国の外国人記者クラブはネット上に声明を掲載し、治安当局によるジャーナリストへの乱暴行為を非難。少なくとも1人が「地面に倒され」、ほかのジャーナリストも押されたり、背中を殴られたりしたと指摘している。

国際的な人権団体は浦氏の裁判が政治的迫害だと非難。アムネスティー・インターナショナルは、浦氏の公判に至る経緯に「不正な手続きが幾度も」見られたと指摘している。

浦氏は、活動家で美術家のアイ・ウェイウェイ氏の弁護を務めた。浦氏は、裁判なしで何年も容疑者を拘束できる強制労働キャンプ制度の廃止を訴えていた。

(英語記事 China rights lawyer Pu Zhiqiang's trial ends amid scuffles

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