ロシア、シリア空爆についてアムネスティ批判「まったくのうそ」と

イドリブ住民はロシア軍機が市内中心部を空爆と Image copyright Reuters
Image caption イドリブ住民はロシア軍機が市内中心部を空爆と(12月20日)

国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」がシリアにおけるロシアの空爆で民間人が200人以上死亡していると報告書を発表したことについて、ロシア政府は「まったくのうそ」と批判を一蹴した。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官はモスクワで記者会見し、アムネスティが23日に公表した報告書の内容について、「具体的な内容も新しい内容も何もない」と述べた。またロシア軍がシリアでクラスター爆弾を使用しているという報告書の批判も否定した。

アムネスティはロシア空爆25件以上について、現地の住民や医療関係者などに電話やインターネットを通じて「遠隔で調査」したと報告書の手法を説明している。これについてコナシェンコフ報道官は、遠隔調査だったのなら、現場に軍事目標が本当になかったかアムネスティには確認のしようがないと反論。

報道官は、武装勢力が車両に武器を搭載している場合、「各車両は戦術単位としてみなされ、正当な軍事目標となる」と述べた。

またクラスター爆弾の使用については、「シリア内の基地にそのような武器はない」と否定した。

アムネスティの関係者は、ロシアが9月末から開始した約2カ月間のシリア空爆で200人以上が死亡しており、一部の攻撃は「戦争犯罪に相当するかもしれない」と指摘している。

ロシアのシリア空爆で「市民200人以上死亡」=アムネスティ

アムネスティの報告書は、米国主導の有志連合によるシリア空爆にも懸念を表明している。2014年9月に、いわゆる「イスラム国」(IS)爆撃を開始した米軍は、民間人殺害をほとんど認めていない。しかし一部の監視団体によると、民間人の被害は数百人に及ぶ可能性があると指摘している。

11月29日――イドリブ県アリハの市場空爆

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Image caption 11月29日の空爆で破壊されたシリア北西部イドリブ県アリハの市場

アムネスティの報告書は、11月29日に起きたシリア北西部イドリブ県アリハへの空爆を詳述している。付近に明白な軍事目標がなかったにもかかわらず、ロシア軍機と思われる戦闘機が市場にミサイルを3発撃ちこんだという。

地元の活動家、モハメド・クラビ・アル・ガザルさんはアムネスティに、民間人49人が死亡したか、行方不明で死亡したと思われていると話している。

「いつもどおりの日曜で、普段と違うことは何もなかった。市場でみんな買い物をしていて、子供たちはものを食べていた。最初に大きな爆発があり、土が飛び散った。続いて衝撃波がすぐに襲ってきた。あっという間に、大勢の悲鳴が響いた。ものが燃える匂いが立ち込めて、まったくの混乱状態に陥った」

武装勢力ジャイシュ・アル・ファテが周囲を支配しているが、アリハ市内そのものに拠点は置いていないとガザルさんは話している。


別の国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」はアムネスティに先立ち、シリア政府軍やロシア軍が反政府勢力に対してクラスター兵器を「かなり」使用していると批判した。

これに対してロシア大統領報道官のドミトリィ・ペスコフ氏は、ロシアは「国際法の原理や慣習に厳正にのっとった形で、作戦を展開している」と反論した。

Image caption ロシアによるシリア空爆箇所は赤とピンク、英国は黒、英以外の有志連合による空爆は青と水色

(英語記事 Russia rejects Amnesty charges over Syria raids

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