台湾、「慰安婦」問題で協議と保障求める

写真は、台湾の元慰安婦を支援する女性人権団体「婦女救援社会福利事業基金会」が12月28日に配布。 Image copyright EPA
Image caption 台湾・台北で日本政府に補償を求める元慰安婦の女性たち。

日韓両政府が「慰安婦」問題で合意したのを受け、台湾の馬英九総統は29日、戦時中に性奴隷として使われた台湾の女性たちにも日本政府の謝罪と賠償を求めると述べた。馬総統は、女性たちの尊厳回復が必要だと強調した。

馬総統は報道陣に対し、「台湾の慰安婦に対する謝罪と賠償を日本に要求し、女性たちの正義と尊厳を取り戻すという政府の立場は、終始変わっていない」と述べ、日本政府に直ちに交渉に入るよう求めた。

一部の推計では第2次世界大戦中に日本兵の性奴隷にされた女性は20万人に上るとされる。多くは朝鮮半島出身だったが、現在の中国、フィリピン、インドネシア、台湾の女性たちも被害を受けた。

お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません
第2次世界大戦の「慰安婦問題」で日韓合意

「慰安婦問題」日韓合意 両国首脳が歓迎

【BBC】 「どうして慰安婦と呼んだのか、私たちはさらわれたのに」

【BBC】 「慰安婦がいなかったというのは嘘」 元衛生兵の松本さん

ロイター通信によると、中国外交部の陸慷報道局長は29日の定例記者会見で、「侵略の歴史と正しく向き合うよう」一貫して求めてきたと繰り返し、慰安婦問題の解決については「日本にそれが可能かどうか、発言や行動が最後まで一貫しているかどうか、成り行きを注視していく」と述べた。

中国国営英字紙「グローバル・タイムズ」は、中国の元「慰安婦」の家族は韓国の被害者と同様の謝罪を求めていると記事を掲載した。記事内で、亡き母親グオ・シツイさんが性奴隷として使われたというシュウ・グイインさんは「とても怒って苛立っている。ほかの家族もそうだ。日本が韓国の被害者に謝罪するなら、どうして中国の被害者には謝罪しないのか?」と謝罪を求めている。

同紙によると、2014年8月現在で中国で存命の元「慰安婦」はわずか23人。台湾には4人しか残っていないとみられている。

共同通信によると、日本兵から性的虐待を受けたフィリピン女性を支援する団体「リラ・ピリピーナ」のレチルダ・エクストレマドゥラ事務局長は、日韓合意を評価する一方で、フィリピンの元「慰安婦」も賠償を受けるべきだと述べた。

「フィリピン政府は日本の戦時中の性奴隷問題を完全に無視してきた。高齢の被害者たちになかなか正義が与えられないのはそのせいだ」と事務局長は批判している。


日韓合意の内容

Image copyright AFP
Image caption 韓国の元「慰安婦」支援団体はソウルの日本大使館前で毎週、抗議集会を開いてきた。写真は、ソウルの日本大使館前で抗議するリー・ヨンソーさん(8月12日)
  • 韓国政府が運用する高齢の元慰安婦の支援ための基金に日本は10億円を拠出
  • 基金への拠出と共に日本の首相による謝罪と問題に対する「責任の痛感」の表明
  • 韓国は日本が約束を果たすことを条件に問題が「最終的かつ不可逆的に」解決したと確認
  • 韓国は2011年にソウルの日本大使館に建てられた慰安婦を象徴する像の撤去を検討
  • 日韓は国際社会の場でこの問題をめぐって双方を非難することを控える

日本はこれまで大戦時の性奴隷問題について繰り返し謝罪し、責任を認めてきた。1993年の当時の河野洋平官房長官による談話がその主な例だ。

その一方で、日本政府は賠償金の追加支払いには抵抗してきた。1965年の日韓国交正常化の際に結ばれた請求権協定で解決済みであり、韓国に8億ドル以上に及ぶ経済援助をしたというのが理由だ。

日本政府は1995年に「女性のためのアジア平和国民基金」を設置。基金は約10年間運営されたが、資金は政府のものではなく民間からの募金によるものだった。

Image copyright EPA
Image caption 2012年12月に台北の日本政府代表事務所前で、亡くなった元慰安婦を追悼する、フィリピンの元慰安婦エステリタ・B・ダイさん(左)と台湾の元慰安婦チェン・チェンタオさん。

(英語記事 'Comfort women': Taiwan tells Japan to extend compensation

この話題についてさらに読む