【移民危機】2015年に海から欧州到達の移民・難民は100万人以上

人数超過のゴムボートで地中海を渡る移民が後を絶たない Image copyright EPA
Image caption 人数超過のゴムボートで地中海を渡る移民が後を絶たない

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は29日、2015年初めから現在までの間に海路で欧州に到達した難民・移民の数は100万人を超えると発表した。2014年の21万6000人余から激増した。

UNHCRによると、2015年に海から欧州に到達した難民・移民100万573人のうち、8割以上がまずギリシャに到達。その大半はレスボス島に上陸したという。

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積み上げられた救命胴衣 移民の上陸続くレスボス島

トルコからギリシャに移動した人数は約84万4000人。15万人以上はリビアから地中海を越えてイタリアに上陸したという。

欧州にとって、現在の移民危機は第2次世界大戦以来最悪の事態となっている。

UNHCRは公式サイトで「航海に耐えられる状態にない船やゴムボートに運命を預けて、なんとか欧州にたどりつこうと必死な難民や移民の数が増えている」と指摘。「この危険な渡航を試みる大多数は、出身国の戦争や暴力や迫害を逃れようとしており、国際的な保護を必要としている」と呼びかけている。

UNHCRによると、地中海を渡る人の約49%がシリアからで、21%がアフガニスタン出身だという。

地中海を渡ろうとして死亡、もしくは行方不明になった人数は3735人に上る。

レスボス島で取材するBBCのポール・アダムス記者によると、島は現在、ふだんに比べると訪れる人の波に対応できている様子だが、それでも欧州内地にさらに移動しようと登録の順番を待つ人は数千人に及ぶ。

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Image caption 移民の多くはトルコ経由でギリシャの島に到着する。写真は、レスボス島からフェリーに乗ってアテネ近くのピラエウス港に上陸する人たち。
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Image caption 移民登録手続きのため、独ベルリンの保健社会局事務所前に行列する人たち

12月21日には国際移住機関(IOM)が、陸路と海路を合わせると、欧州に今年到達した移民の数は100万6000人を超えたと発表した。

冬の寒さにもかかわらず、今でも多くの移民が欧州へと移動を続けている。このため欧州連合(EU)は今月、ギリシャの移民登録受付スタッフの増員に合意。一方で、一部の加盟国がフェンスを設置したり国境管理を強化するなど、加盟国同士の対立を呼んでいる。

ドイツはこれまでに欧州最多の100万人以上を移民・難民として受け入れたと表明しているが、バルカン半島経由の陸路で訪れる人たちがその大半で、回路経由の人数には含まれていない。

<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。

(英語記事 Migrant crisis: Over one million reach Europe by sea

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