北朝鮮の「水爆実験」 国連安保理が制裁へ

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北朝鮮の「水爆実験」 意味するところは?

国連安全保障理事会は6日、北朝鮮が「水爆実験に成功した」と発表したことを受け、同国に対する制裁措置の検討をただちに始めると表明した。

安保理は「国際平和と安全保障に対する明白な脅威が依然として存在する」として、北朝鮮の「水爆実験」を非難した。

北朝鮮は過去に3回核実験を行っているが、水爆実験を実施したと主張するのは初めて。ただ、米国などは今回の爆発が水爆実験で発生する規模に達していないのではないかと指摘している。

ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は、「初期段階の分析では、北朝鮮が主張する水爆実験の成功は裏付けられていない」とし、「北朝鮮の技術・軍事能力に対する米政府の評価変更につながるような事態は、過去24時間に起きていない」と述べた。

アーネスト報道官は、北朝鮮の孤立は「さらなる挑発的な行為によって深まった」と語った。

国連安保理は6日、米国、日本、韓国の3カ国の要請を受け緊急会合を召集した。

安保理の議長国を今月務めるウルグアイのエルビオ・ロッセリ国連大使は記者会見で声明を読み上げ、「核実験が再度行われた場合にはさらに重大な措置を取ると、安保理は過去に決意している。各理事国はその決意をあらためて確認した」とした上で、「この決意と違反の重大性に鑑み、安保理メンバーは新たな決議による対応の検討をただちに開始する」と述べた。

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Image caption 北朝鮮の核施設がある同国北東部の豊渓里の衛星画像(2013年1月撮影)
Image caption 過去に核実験が行われた時期と実験による揺れの程度(マグニチュード、出典:米地質調査所)

日本の吉川元偉国連大使は、力強い安保理決議の速やかな採択を呼びかけ、「安保理が対応しなければ、安保理の権威と信頼性が揺らぐ」と述べた。

しかし、吉川大使を含め各国は、決議採択の時期や内容については言及を避けている。

ロシアのチュルキン国連大使は、同国がさらなる制裁を支持すると言えば「言い過ぎになる」と語った。

北朝鮮がそれぞれ2006年、09年、13年に行った核実験では、国連による制裁が実施され、20の組織と12人の個人が制裁対象のブラックリストに載った。

「爆発が小さすぎる」

北朝鮮が水爆実験に成功したと確認されれば、同国の核開発能力が大きく進歩したことを意味する。

より大きな威力を持つ水素爆弾は原子爆弾よりも必要な技術水準が高く、原子の核融合反応を使って巨大なエネルギーを放つ。

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北朝鮮「初の水爆実験を成功」と発表の瞬間

第2次世界大戦時に日本の2都市に投下された原子爆弾は、原子の核分裂反応によって生じるエネルギーを使う。

米軍事シンクタンクのランド研究所のアナリスト、ブルース・ベネット氏は北朝鮮が水爆実験に成功したという主張に疑問を呈している。ベネット氏は、「爆発の規模は10倍になったはずだ」と指摘する。

韓国の李喆雨(イ・チョルウ)議員は、同国の国家情報院から受けた説明では、今回の爆発が水爆よりも「小さ過ぎるようだった」と明らかにしている。


北朝鮮の「派手なレトリック」―― スティーブ・エバンズ特派員

北朝鮮メディアが使った表現は派手だった。北朝鮮は「世界を驚かせる事件」――水爆実験のことだが――を起こしたと。

国営メディアは「朝鮮人民共和国の人々は、驚くべき奇跡を連日行い功績を挙げ、大きな進歩を遂げている」と述べた。

北朝鮮の世界観がいまだにわかりやすく、朝鮮戦争以降の1950年代のままだというのもはっきりした。米国が最大の侵略者なのだ。「米国は残酷な強盗集団で、核による大惨事でさえ、朝鮮人民共和国にもたらそうと躍起になっている」と。

こうしたレトリックにも関わらず、国外の専門家たちは、どの程度の「大きな進歩」があったのか疑っている。

しかし北朝鮮は前回の核実験で国際社会に広く非難されたにも関わらず、核兵器開発の道を進もうと決意を固めている。この点は疑いようがない。


核実験実施の可能性に周辺諸国が最初に気付いたのは、現地時間の6日午前10時半(日本時間午前10時)。米地質調査所(USGS)が北朝鮮北東部の咸鏡北道吉州から50キロ離れた地点を震源とする地震を、この時点で観測した。震源は過去に核実験が実施された豊渓里の近くだ。

数時間後、朝鮮中央テレビのアナウンサーは緊急発表で「共和国の最初の水爆実験が2016年1月6日午前10時に成功裏に終わった」と述べた。

国営朝鮮中央テレビは、金正恩第1書記が水爆実験を許可する署名つきメモを放送。中には、2016年が水爆による「興奮するような爆発音」で幕を開けるべきだと書かれている。

中国と日本は、放射能が検出されるどうか分析を行っているもよう。

Image copyright AFP
Image caption 金第1書記が水爆実験を許可する署名をしたメモを国営テレビが放映した

核ミサイルを発射できるようになったのか

北朝鮮の主張にも関わらず、ミサイルに搭載できるような小型の核爆弾を作れるようになったことには専門家たちは懐疑的だ。

今回の実験について分かっていることは?

なんらかの核爆発が起きたのは、関係者が一致するところだ。2013年の実験よりも爆発の規模も大きかった。しかし、水爆が起こすような完全な熱核反応の爆発の規模には達していない。

なぜ北朝鮮に止めさせられないのか

北朝鮮は核兵器開発の目的達成のため、国際世論や厳しい制裁措置をものともしていない。決定的なのは、主要な同盟国である中国が止めさせていない――あるいは止めさせられない――ということだ。


(英語記事 North Korea nuclear test: UN vows new measures

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