中国株が反騰 サーキットブレーカー停止後初の取引

中国株式市場の株価ボード Image copyright Getty Images

8日の中国株式市場は反騰した。中国の規制当局は急な株価変動を抑制する「サーキットブレーカー」制度の停止を発表している。

中国市場では今週、株価下落を受けサーキットブレーカーが2度発動されている。中央銀行の人民銀行が人民元の中心レートを引き下げ、中国経済が予想以上に減速しているのではないかとの懸念が広がった。

人民銀行は8日、9営業日ぶりに人民元の中心レートを引き上げた。

中国株の今週の急落を受けて世界的に株が売り込まれていたが、8日は他のアジア市場でも株価が回復している。

7日は欧米の株式市場も軒並み下落。中国市場で今週2度目の取引停止となったことで投資家の間に不安感が広がった。

ダウ工業株30種平均とS&P500指数はともに2.3%安でこの日の取引を終えた。

7日の中国株式市場では、主要株価指数が7%下落したため、今年から導入された「サーキットブレーカー」制度が発動され、終日取引停止となった。その後、中国当局は8日から同制度を停止すると表明した。

7日の取引は寄り付き後30分で停止されており、これまでで最も短い取引時間となった。中国市場の低迷で海外市場にも恐怖感が広がった。

ロンドン株式市場のFTSE100種指数は2%安の5954.08で引けた。ドイツのDAX指数は2.3%安の9979.85、フランスのCAC40指数は1.7%安の4403.58でそれぞれ引けた。

米国株式市場では銀行株が最も下げた。シティグループとモルガン・スタンレーは5%下落した。

テクノロジー株も売られた。アップルは4.2%安、アマゾンは3.9%安、フェイスブックは4.9%、グーグルの親会社アルファベットは2.3%安と軒並み下げた。

テクノロジー企業が多く上場するナスダック市場のナスダック総合指数は3%安だった。

広がる不安感

不透明感が広がるなか、通貨ユーロはドルに対してほぼ1%上昇し、1ユーロ=1.0870ドルとなった。

英ポンドは対ユーロで1.5セント以上下落し、1ポンド=1.3408ユーロを付けた。

中央銀行である中国人民銀行が7日まで人民元の為替レートを8日連続で引き下げたことで、投資家の間には為替レートの引き下げ競争、いわゆる「通貨戦争」が引き起こされるのではないかと懸念している。

アナリストらは、為替レートの引き下げは中国の輸出競争力を強める目的があるのではないかと推測している。また、中国の個人消費が心配されていたよりもさらに弱まっているのでないかとの懸念も生んでいる。

中国の公式統計では、経済成長率は7%を若干下回る水準を維持しているが、人民元の為替レート引き下げは、経済モデルを輸出主導からサービス・消費主導に変えようとする政府の取り組みがうまくいっていない可能性を示唆している。

世界に与える影響は?

中国市場の下落による金融への直接的な影響は限定的。中国市場への海外からの投資は大きな問題になるほど多額ではない。ロンドンのコンサルタント会社、キャピタル・エコノミックスによると、中国市場における外国人の株式保有比率は2%にとどまっている。

問題はむしろ、株式市場の混乱がより幅広い中国経済の減速に光を当てていることだ。中国経済は急過ぎる減速、いわゆる「ハード・ランディング」に向かっているのだろうか。

世界経済で中国の重要性は高まっており、海外への影響は避けられない。世界第2位の経済規模があり、モノやサービスの輸入額も世界で2番目に大きい。

ソロス氏の警告

著名投資家のジョージ・ソロス氏は2008年と同様の大規模な世界金融危機が2016年に発生する危険があると警告している。

スリランカで開かれた経済フォーラムでソロス氏は、中国が「調整で大きな問題」を抱えていると指摘した。

ブルームバーグによると、ソロス氏は「危機に匹敵すると言えるだろう。金融市場を観察すると、2008年に起きたような危機を思い起こさせるような深刻な問題がある」と述べた。

ソロス氏が金融市場について差し迫る破滅を警告したのはこれが初めてではない。2011年には、欧州を混乱に陥れたギリシャ債務危機は2008年の金融危機より深刻だと語っていた。

<解説>カリシュマ・バスワ記者(アジア・ビジネス担当)

もし1回目でうまくいかなくてもあきらめない……というわけにはいかないのかもしれない。株式市場で1週間で2回混乱が起きるような時は特に。

中国当局が今年導入したばかりのサーキットブレーカー制度の停止を決めたことは、金融市場を管理することがいかに難しいかを物語っている。

しかし、それがまさに重要な点なのかもしれない。

市場への介入は悲惨な結果しか生まない――少なくとも金融関係者は今、そう考えているはずだ。

取引停止後、中国証券監督管理委員会は、大株主が3カ月間で売却できる持ち株比率を1%以下に制限する措置を発表した。新しいルールは今月9日から適用される。

新ルールは、昨年夏の株価急落を受けて導入された大株主の持ち株売却を6カ月間禁止する措置の期限を8日に控えて、発表されている。

なぜ今起きているのか

中国人民銀行は昨年、人民元の為替レートを引き下げ始めた。世界銀行も報告書で中国経済の弱点を指摘している。中国からの悪いニュースに加えて、原油価格が14年ぶりの低水準となったことも世界の株式市場に打撃を与えている。

心配すべきか

世界の経済活動に占める中国の割合は17%。そのため、中国の消費が減少すれば海外経済にも影響が及ぶ。

中国は石油や銅、鉄鉱石といった国際商品の主要な輸入国であり、中国に輸出する企業は大きな打撃を受ける可能性がある。

これから何が起きるのか

中国の動きを受け、他のアジア諸国にも為替レートの引き下げ圧力が大幅に増している。

中国がサーキットブレーカーの発動を7%以上の変動に設定したことも混乱につながった可能性がある。米国株式市場ではサーキットブレーカーが発動されるのは20%以上の変動があった時だ。

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Image caption 人民元の為替レート引き下げは、輸出競争力を維持したい他のアジア諸国にも影響を及ぼしている

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