【米大統領選2016】ニューハンプシャー州予備選はトランプ氏とサンダース氏が勝利

サンダース議員(左)とトランプ氏(右) Image copyright Getty Images
Image caption ニューハンプシャー州では、共に党中枢のアウトサイダーのサンダース議員(左)とトランプ氏(右)が勝利

米大統領選の両党候補を決める予備選第2弾となるニューハンプシャー州予備選が9日行われ、共和党は実業家ドナルド・トランプ氏、民主党はバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が勝利した。今回の結果を受けて候補たちは次に、サウスカロライナとネバダ両州に向かう。

公職に就いたことのないトランプ氏が投票結果で勝つのは初めて。世論調査での高い支持率が初めて、実際の投票結果に反映された形だ。

トランプ氏もサンダース氏も、それぞれの党主流派の支持を得ているとは言えないアウトサイダーで、米政界の従来にあり方を厳しく批判してきた。それだけに両候補の今回の勝利は、劇的な結果だ。

ニューハンプシャー州選管は記録的な投票率になると予想している。

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トランプ氏「またアメリカを偉大にする」 ニューハンプシャー州で勝利

69歳のトランプ氏はこれまで、米国に住む違法移民数百万人を強制送還させると公約してきた。ほかに、メキシコ国境に壁を設置し、イスラム教徒の米国入国を一時的に禁止すると主張してきた。

トランプ氏は勝利演説でサンダース氏の勝利を称える一方で、「みなさん、この人はこの国をよそにくれてやろうとしてますよ!」と皮肉った。

そのサンダース議員は、自分が勝ったのは国民が「本物の変化」を求めていることの印だと演説した。

「この国は巨大な危機に直面している。そうした状況でいつまでたっても、旧態依然の主流派エスタブリッシュメントの政治や経済をやっているわけにはいかない」とサンダース氏は支援者たちを前に強調した。

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【米大統領選2016】サンダース氏「政治革命」を約束 ニューハンプシャー州で勝利

社会主義者を自称する74歳のサンダース議員は、経済格差解消を強力に主張し、大学教育の無料化や大手銀行解体を主張してきた。ニューハンプシャーの隣のバーモント州選出なこともあり、各種世論調査が今回の勝利を予測してきたが、民主党主流派の支持を得ているヒラリー・クリントン前国務長官に20ポイント差(開票率90%)をつけての勝利は画期的といえる。

勝利確実の予測が報道されると、サンダース議員はツイッターで「みんなで団結すると勝てる。ニューハンプシャー、ありがとう!」とツイートした。さらに、投票所でまだ順番待ちの有権者が並んでいるという情報を受けて、「行列を続けて」投票をするよう呼びかけた。

クリントン陣営は

クリントン氏は敗北を認めてサンダース氏を称えた上で、今後も最後の1票を得るために戦っていくと演説した。

クリントン陣営のロビー・ムック選対本部長は、民主党候補指名はおそらく3月には確定するだろうとの見方を文書で明らかにした。

1日のアイオワ州党員集会では、クリントン氏がサンダース議員をほぼ互角の僅差で抑えた。

共和党候補悲喜こもごも

共和党では、オハイオ州のジョン・ケーシック知事が2位。「誰も置き去りにせず」アメリカを率いたいと演説した。

3位は、アイオワ州党員集会で1位になったテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)。アイオワでは上位2人に迫る3位だったマーコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)は、今回の結果は残念だと支持者に謝罪した。

ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事は、いったん地元に戻り、サウスカロライナ以降の選挙戦を続けるか検討すると述べた。

かつて共和党の最有力候補とみられていたジェブ・ブッシュ・フロリダ州元知事は、支援者たちに「サウスカロライナに行きますよ!」と告げた。

<分析>アンソニー・ザーチャー、BBC北米担当記者、ニューハンプシャー

ドナルド・トランプ氏が復活し、バーニー・サンダース議員は盛り上がっている。それが、大した波乱のないまま終わったニューハンプシャー予備選ではっきりした。ニューヨーク出身の大富豪も、富裕層を罵倒する民主党議員も、2ケタのポイント差でライバルを抑えた。2人とも、一貫して高い支持率は本物だとあらためて示したようだ。

共和党側では数週間前から注目されていたのは、2位になるのは誰かだった。トランプ氏やアイオワ州党員集会で勝ったテッド・クルーズ上院議員の対抗馬となる、党主流派の候補が、そこで決まるのではないかというのが注目の的だった。

その主流派候補はもしかするとフロリダ州選出のマーコ・ルビオ上院議員になるのではないかと、一時は期待された。しかし6日の共和党討論会で頭角を現すことができず、このまま先頭集団に入れない団子状態のまま終わりそうだ。むしろ主流派が応援できる候補は、オハイオ州のジョン・ケーシック知事になるのかもしれない。しかし知事は、次の予備選が行われる南部州で選挙運動を展開するためのインフラらしきものを整えられていない。

共和党主流派は、誰を後押しするのか。9日の結果からは明らかな答えは出てこなさそうだ。それはクルーズ氏やトランプ氏にとって朗報だ。党主流派の分裂状態は今しばらく、2人に有利に働く。

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【米大統領選2016】 どうやって勝つになるのか 予備選とは

<今後の主要日程>

2月20日――サウスカロライナ州共和党予備選、ネバダ州民主党党員集会

2月23日――ネバダ州共和党党員集会

3月1日――「スーパーチューズデー」、15州・米領で予備選・党員集会

7月18~21日――共和党全国党大会、候補指名

7月25~28日――民主党全国党大会、候補指名

11月8日――米大統領選本選投票

(英語記事 US election 2016: Trump and Sanders 'to win' New Hampshire

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