【米大統領選2016】 クリントン氏とサンダース氏が論戦、マイノリティー票求め

Democratic U.S. presidential candidate former Secretary of State Hillary Clinton speaks as Senator Bernie Sanders listens at the PBS NewsHour Democratic presidential candidates debate Image copyright Reuters

米大統領選で民主党の候補指名を争う、ヒラリー・クリントン前国務長官とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が11日夜、テレビ討論会に出席し、黒人やラティーノ系の少数派(マイノリティー)票を獲得しようと論戦を繰り広げた。

次の選挙日程としては今月下旬に、黒人とラティーノの有権者が多いネバダ州党員集会とサウスカロライナ州予備選が予定されている。

米公共放送PBSによる討論会で、サンダース氏は経済格差解消の持論を強調し、黒人社会の中にある格差是正の必要性を強調した。

クリントン氏は、自分は現実的な実務者だと述べ、「理想主義者」と批判されることの多いサンダース氏との違いを強調しようとした。

オバマ政権の実績をもとにさらに国を良くしていくとクリントン氏は言い、国民皆保険や大学無料化を公約するサンダース氏を念頭に、「何を重視しているか明確にする特別な責任がある。だからこそ、守れない約束はできない」と言明した。

移民法改革も主要議題のひとつだった。両候補とも、1100万人近い不法移民に市民権取得の手段を与える改革を支持し、オバマ政権による国外退去処分が最近急増している点を批判した。

一方で共和党の最有力候補、実業家ドナルド・トランプ氏は不法移民全員の強制退去を公約するなど、厳しい移民対策を掲げている。これについてサンダース氏は、移民を経済不安のスケープゴートにしてはならないと批判。「国を分断しようとしている世界中のトランプに対向かっていかなくてはならない」と強調した。

Image copyright Getty Images
Image caption 黒人の不当な扱いに抗議する団体が、討論会会場で最低賃金の引き上げを求めた

9日のニューハンプシャー州予備選で、サンダース議員は22ポイント差でクリントン氏を抑えた。1日のアイオワ州党員集会では敗れたもののほぼ互角だった。ただし両州とも人口のほとんどが白人のため、ネバダ、サウスカロライナ両州に多い黒人とラティーノの有権者の支持を得られるかが注目されている。

一方で、ニューハンプシャー州では若い女性や今回初めて投票する若者の大半がサンダース氏を支持。このためクリントン氏は、若者へのアピールを強める必要があると認めた。ただし黒人やラティーノ系の間では支持率が高いため、ネバダ、サウスカロライナ両州ではクリントン氏優勢とみられている。

サウスカロライナ州で米NBCテレビなどが1月に行った世論調査では、黒人有権者の支持率はクリントン氏が74%、サンダース氏が17%だった。

影響力の強い連邦議会黒人議員幹部会(CBC)も11日、クリントン氏を支持表明。前国務長官にとってきわめて重要な後押しとなった。

CBCのバターフィールド議長は記者団に、「人種問題について最近勉強したばかりの人ではなく、人種の分断を理解している大統領が必要だ。この問題を長年経験し、取り組んできた人が必要だ。ただ選挙戦で素晴らしいことをたくさん約束する、政治的に実現不可能なことを約束するのではない、そういう大統領が必要だ」と述べ、サンダース氏を批判した。

Image copyright AP
Image caption CBCがクリントン氏を支持表明。発表ではジョン・ルイス下院議員(民主党、ジョージア州選出)も、クリントン氏を強力に推薦した(11日)

これに対してサンダース氏は10日、黒人票獲得のため、黒人指導者のアル・シャープトン師とニューヨークで会談。しかしシャープトン師は、どちらの候補を支持するか表明しなかった。

民主党と同様、共和党もまだ本命の候補が絞り込まれていない状態で、アイオワではテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)が勝ったものの、ニューハンプシャーではトランプ氏が1位になり、2位はオハイオ州のジョン・ケーシック知事、クルーズ議員は3位だった。

討論会のほかのポイントは次の通り――

・サンダース氏は、米国の刑務所服役人口が世界最大だと指摘し、大統領としてこれを解消すると表明

・クリントン氏は、サンダース氏の様々な提案を実施すれば政府の規模が4割拡大すると指摘

・過去の討論会では外交政策が弱点だと言われてきたサンダース氏は、外交について前より自信のある様子を見せた

・クリントン氏はオバマ大統領を強力に擁護し、サンダース氏の大統領批判を問題視

・尊敬する外国の指導者を尋ねられ、サンダース氏はウィンストン・チャーチル英首相を、クリントン氏はネルソン・マンデラ南ア大統領をそれぞれ挙げた。


<今後の主要日程>

2月20日――サウスカロライナ州共和党予備選、ネバダ州民主党党員集会

2月23日――ネバダ州共和党党員集会

3月1日――「スーパーチューズデー」、15州・米領で予備選・党員集会

7月18~21日――共和党全国党大会、候補指名

7月25~28日――民主党全国党大会、候補指名

11月8日――米大統領選本選投票

(英語記事 Clinton and Sanders bid for minority voters in debate

この話題についてさらに読む