BBC元人気司会者による性的虐待、プロデューサーは「ひとりにするな」と

  • 2016年02月29日
ジミー・サビル
Image caption ジミー・サビルは人気番組「ジムにおまかせ」を19年司会した

BBCの人気司会者で、少年や少女への性的虐待が死後に発覚したジミー・サビルについて、人気番組「Jim'll Fix It」(ジムにおまかせ)の元プロデューサーは、サビル氏を子供たちとひとりにするなとスタッフに指示していたと明らかにした。ただし、それはサビルだからではなく、どの司会者についても言ったはずで、子供たちに危害が加えられると予想していたわけではないという。

2011年に84歳で死去したサビルについては、独立調査委員会が25日、被害者は少なくとも72人に上るという報告書を発表している。最年少は8歳。72人の中には、強姦被害者が8人いたという。

サビルは1975年~1994年にかけて子供の相談にのって願いをかなえる人気番組「Jim'll Fix It」を司会したほか、歌謡番組「Top of the Pops」など数々の番組に出演し、90年にはナイト爵位を得ている。生前に逮捕・起訴されることはなかった。

「Jim'll Fix It」のプロデューサーを一貫して務めていたロジャー・オーディッシュ氏はBBCラジオ4の取材に対して、「何かひどいことが起きる」と思ったわけではないが、規則として番組に出演する子供がサビル氏といるときは必ず誰かついているようにと、スタッフに指示していたと話した。

オーディッシュ氏はさらに、一部の少年少女にとってサビルは、「不安な気持ちになる」「怖い」存在だったとも話した。

独立調査を主導したデイム・ジャネット・スミスは、サビルが「常に性的暴力の犠牲者を獲物のように探していた常習者」だったと断定。「機会があればいつでも」性的暴行に及び、その行為は「働いていたBBCのあらゆる施設」で行われたと指摘。さらに、BBCがサビル氏による「おぞましい」虐待行為を止められなかったのは、そのための機会を何度も逃したからだと報告書で批判した。

報告書によると、少年や少女を番組のセットに招待しては、楽屋で性的虐待に及ぶのが常套手段だったという。またサビルに対する苦情が当時の管理職に届かなかったのは、BBC内にまだ残る「恐怖の空気」が原因だと報告書は批判している。

その一方でデイム・ジャネットは、オーディッシュ氏については正直かつ真っ当な人物だと評価。サビルの犯罪行為に気づいていなかったと納得したという。

報告書要旨

BBCがサビルを雇用していたのは1964~2007年。その間の企業文化や習慣を点検するためにBBCが2012年に設置した独立委員会による報告書の要旨は次の通り――。

・BBCでの仕事を通じてサビルが性的暴力を加えた被害者72人のうち、強姦被害者は8人。強姦未遂の被害者は1人。

・事件の大半は1970年代に発生。

・歌謡番組「Top of the Pops」に関係する被害者が最も多かった。

・最年少の被害者は8歳。

・正式な苦情は8件提出されていた。

・ジミー・サビルとは別に、60年代~70年代に活躍したBBCアナウンサーのスチュアート・ホールは、1967年~1991年にかけて女性21人を暴行した。最年少は10歳。

・BBC内の若手職員や中間管理職の中には、サビルの性的虐待行為について承知していた者もいたが、BBCが組織として承知していたという証拠は得られなかった。

・ホールがBBC施設内で行った暴行について、幹部2人は「承知していた」もしくは「おそらく承知していた」。

(英語記事 Savile abuse: Jim'll Fix It producer 'warned staff over children'