ブラジルで閣僚辞任 ルセフ政権にまた打撃

ルセフ大統領は弾劾阻止に必要な連立与党の支持を失う可能性がある Image copyright Reuters
Image caption ルセフ大統領は弾劾阻止に必要な連立与党の支持を失う可能性がある

政情不安が高まるブラジルで28日、連立与党から入閣していたエンリケ・エドゥアルド・アウベス観光相が辞任した。議会で弾劾への動きに直面するルセフ大統領にとって、さらなる打撃となった。

ルセフ大統領に対しては、政府の赤字隠しに予算で不正が行われたとして、野党議員らが弾劾手続きを進めている。アウベス観光相が属するブラジル民主運動党(PMDB)は29日に、連立維持の是非について投票する予定。

軍事政権時代には反政府運動の闘士で、投獄された経験もあるルセフ大統領が再選を果たし2期目に入ったのは1年2カ月前だが、与党労働党の幹部らの汚職疑惑で国民の支持は急低下している。

エドゥアルド・クーニャ下院議長は昨年12月、ルセフ大統領に対する弾劾手続きの開始に同意した。

ルセフ大統領は先週、手続き開始はクーデターを起こすようなものだと批判。28日にはPMDB幹部らと会談を行った。

PMDBは29日に党大会を開く予定だが、多くの所属議員は、大方の党員がすでに連立離脱の意向を固めていると語った。

バルディア・ラウップ上院議員はロイター通信に対し、「29日には、現在の政府から降りることになる」と述べた。

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Image caption ルセフ氏退陣を求める大規模なデモがブラジル全土で相次いだ(写真はサンパウロで今月13日に開かれたデモ)

PMDBの党首はミシェル・テメル副大統領で、ルセフ大統領が退任した場合には、後任となる立場にある。

ルセフ大統領への弾劾手続きを止めるためには、513議席ある下院の少なくとも3分の1の支持が必要で、PMDBに所属する69議員の意向は大きな影響を及ぼす。

ルセフ大統領の労働党は、前任者のルラ前大統領が2003年に就任して以来、政権を握る与党だが、国営石油会社ペトロブラスの下請け会社からの贈賄をめぐる汚職捜査が長く続き、大きな打撃を受けた。

マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑の捜査からルラ前大統領を守るため、ルセフ大統領はルラ氏を官房長官に任命しようとした。しかし連邦裁判所が今月、人事の差し止めを命じている。

ルラ前大統領は28日、ルセフ大統領は募る圧力を跳ね返すことができると発言。政権維持の方策について、テメル副大統領と協議する考えを明らかにした。

ルセフ大統領の退陣を求める数万人規模のデモがブラジル全土で相次いでいる。ブラジルの世論調査機関データフォルハによると、ルセフ大統領を「良い、もしくは素晴らしい」と評価した回答者は11%にとどまった。

(英語記事 Brazil minister quits before vote on Dilma Rousseff's coalition

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