ブラジル大統領 副大統領が「クーデターに加担」と示唆

学生や教師らの前で演説するルセフ大統領(12日、ブラジリア) Image copyright EPA
Image caption 学生や教師らの前で演説するルセフ大統領(12日、ブラジリア)

ブラジルのルセフ大統領は12日、テメル副大統領が自分に対する「クーデター」計画に加担していると示唆し、弾劾への動きを非難した。

ルセフ大統領は、テメル氏を名指ししなかったものの、テメル氏が暫定大統領の就任演説を練習しているように聞こえる録音テープが、副大統領が陰謀の首謀者だという証だと述べた。副大統領の録音音声は11日に報道されたもの。

特派員らによると、副大統領が就任演説の原稿を読み上げている録音で、テメル氏はルセフ大統領の弾劾がすでに決まったと想定して語っているように聞こえる。テメル氏側は録音は間違ってスタッフに送られたとしている。

問題の録音は、下院の特別委員会で弾劾手続きが進められるべきかを決める重要な投票が行われる直前に報道された。

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Image caption テメル副大統領(写真)は録音は間違って送られたと語った

テメル氏は録音で、「ブラジル国民に向けて、少なくとも予備的な演説を行うよう多くの人が私に求めたので、謙虚に、かつ慎重に、節度をもってこれを行う」と語っている。

ブラジルで取材するBBCのウィラ・デイビース記者は、テメル副大統領自身も弾劾対象になる可能性がある現状では、録音の内容は時期尚早に思えると指摘した。

65人の下院特別委は11日に賛成38、反対27で弾劾手続を進めるべきとの勧告をした。

17日から始まる見通しの下院本会議での採決が注目される。地元のメディアは議会の周辺は警備を強化するため、警官数千人が配置されたと報じている。

「想像を絶する不正」

ルセフ大統領は、「合法的に選挙で選ばれた大統領を陥れる陰謀が白昼堂々と行われている」と語った。また、テメル副大統領とクニャ下院議長を指しているとみられる発言で、2人をそれぞれ「首謀者」と「第2の首謀者」と呼んだ。

ルセフ氏は2人について、一方が弾劾手続きで「想像を絶する不正」をするなかで、もう一方が「就任演説を外に漏らすという茶番をやりながら、手を揉みほくそ笑んでいる」と語った。

さらに、ブラジルが「不思議な時代にある。クーデター、茶番、裏切りの時代だ」と述べた。

ルセフ大統領は、リークされた録音の厚かましさに驚いたと述べ、「首謀者のひとりが共和国大統領になろうとしている」と語った。

また、録音が「私、そして民主主義への裏切りを暴露した」とし、テメル氏の「国民に対する傲慢、侮蔑」を明らかにしたと非難した。

ルセフ氏の発言後、テメル氏は、保守系のエスタード・デ・サンパウロ紙のインタビューで、クーデターを首謀などしていないと反論し、首都ブラジリアを数週間離れたのは、陰で何か企んでいると思われないためだったと主張した。

ルセフ大統領に対しては、2年前の選挙運動を前に政府予算を操作して赤字を少なく見せたとして弾劾手続きが進められている。ルセフは不正を否定している。

ルセフ氏の批判勢力は、弾劾は国民の大半に支持されているとしているが、同氏の支持者らは、政敵による甚だしい権力収奪行為だと非難している。

もし、ルセフ大統領とテメル副大統領が2人とも権限を停止された場合は、クニャ下院議長が暫定大統領を務めることになる。

しかし、クニャ氏に対してはマネーロンダリング(資金洗浄)を含む複数の違法行為の疑いがかけられている。

テメル副大統領は最近までルセフ氏と緊密な協力関係にあったが、出身党のブラジル民主運動党(PMDB)は大統領に対する弾劾を支持しており、与党連立から正式に離脱している。

Image caption 弾劾をめぐる主な数字:下院議席は513。上院まで弾劾手続きを進めるためには342票が必要。81議席ある上院では、41人の賛成で弾劾裁判が開始される。審議中はルセフ大統領は180日間職務が停止される

(英語記事 Brazil's Dilma Rousseff accuses deputy of coup plot

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