【ジカ熱】感染地域で22億人にリスクと

ジェイムズ・ギャラガー健康担当編集長

ジカウイルスが蔓延しやすい環境の地域 Image copyright Oxford University
Image caption ジカウイルスが蔓延しやすい環境の地域

ジカウイルスの感染が拡大し得る地域には、計22億人が住んでいるという研究報告が発表された。英オックスフォード大学や米ハーバード大学など複数の研究機関による合同調査をもとに、感染予想地図が19日、学術サイト「eLife」に掲載された。

調査に参加したオックスフォード大学のオリバー・ブレイディー博士はBBCに対して、「ジカ関連のデータを使った地図は初めてだ。以前の感染地図は、ジカ熱がデング熱やチクングニア熱と似ているという前提で作られたものだった」と説明。

「ジカ熱に関するきわめて正確な地理と環境条件の情報を加えて地図を作るのは、我々が最初だ」

ジカウイルスの蔓延に適した環境がどのようなものか知ることで、ほかにどこに感染が広がりやすいか予測しやすくなる。集団感染がいま集中している南米では、広範囲で感染リスクが高いと研究チームは指摘する。

感染リスクの高い地域に住む人数は22億人に達するという。

ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介するジカウイルスは今年に入り、世界的な医療非常事態を引き起こしている。

米疾病対策センター(CDC)は11日、ジカウイルスが深刻な先天異常につながるとの判断を明示した。

ブラジルなどで小頭症の赤ちゃんが数千人誕生したこととジカ熱感染は、因果関係があると疑われている。

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南米大陸では、沿岸部やアマゾン川流域、および大陸中に広がるアマゾン川支流の流域にある市町村が感染リスク地域に含まれる。

米国では、夏になり気温が上昇した時点で、フロリダ州やテキサス州が感染リスク地域に入る。

ブレイディ―博士は「蚊の存在は、ジカ感染に必要な条件のひとつに過ぎない。ほかにも条件はたくさんある。蚊の体内でウイルスが増殖するには一定の高い気温が必要で、拡散するには一定以上の(人間の)人口規模が必要だ」と説明する。

アフリカやアジアにも、ウイルスが蔓延しやすい広範囲な地域があると研究チームは指摘する。

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しかし今回の研究報告では、なぜアフリカとアジアで感染症例が多数報告されていないのかは説明できていない。

いずれの大陸でも実はすでに集団感染が発生済みで、免疫がついている可能性はある。あるいは、デング熱やマラリア熱と誤診されている可能性もある。

欧州で感染が広がる可能性は低そうだが、ウイルスを媒介する蚊の種類についてさらに情報が増えれば、その想定は変化するかもしれない。

(英語記事 Zika virus: 2.2 billion people in 'at risk' areas

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