メキシコ学生失踪 政府が真相究明を妨害=第三者委員会

専門家チームの最終報告の発表を待ち受ける学生の親族ら Image copyright Reuters
Image caption 専門家チームの最終報告の発表を待ち受ける学生の親族ら

メキシコ南部ゲレロ州のイグアラ市で2014年9月に学生43人が失踪した事件で、米州機構・米州人権委員会(IACHR)の専門家チームは24日、同国政府が真相究明を妨害したとする調査結果を公表した。

IACHRの第三者委員会は最終報告で、委員会の指摘を当局が捜査しなかったと批判し、当局が下した結論は正しくないとした。

委員会は、「捜査の方向性を見極めるための証拠収集が遅れたのは、罪を見逃すことにしたに等しい」と指摘した。

失踪した学生たちは、同年9月26日に予定されていた地元当局への抗議行動に参加するため、通っていたアジョツィナパ教員養成学校からイグアラ市に向かっていた。学生たちは農村部出身の教師が差別的な扱いを受けていると非難していた。

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Image caption IACHRの第三者委員会
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Image caption 学生たちの遺体が焼かれたとされるコクラを巡回する軍

メキシコ検察は、同市のホゼ・ルイス・アバルカ市長の命令で警察に拉致された学生たちは、地元の犯罪組織のゲレロス・ウニドスに引き渡された後、殺害されたと結論した。さらに、犯罪組織が学生たちの遺体をごみ埋立地で焼いて捨てたとした。

学生たちの親族は一貫して、検察のこの説明を受け入れず、政府は大物政治家や軍幹部が学生殺害に関わったことを隠そうとしていると非難している。

IACHRのフランシスコ・フォックス氏は、「独立委員会は、コクラ(の町)のごみ埋め立て地で遺体が焼かれたと示す証拠を、何一つ見つけられなかった」と述べた。また、ごみ埋め立て地で見つかった17人の遺体は、学生たちのものではなかったと指摘した。

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Image caption イグアラ市長の妻、マリア・デ・ロス・アンヘレス・ピネダ被告は組織犯罪への関与で訴追されている

フォックス氏はさらに、「学生たちのの携帯電話は、遺体が焼かれたとされる時間帯の数時間後も使える状態だった。中には数日後まで使える状態のものもあった」と語った。

学生たちの抗議活動はイグアラ市長の妻、マリア・デ・ロス・アンヘレス・ピネダ被告が主催していた行事を妨害したとされる。市長夫妻は事件後逃亡したが、メキシコ市で拘束された。マリア・デ・ロス・アンヘレス・ピネダ被告は、組織犯罪への関与で訴追されている。

(英語記事 Mexico missing students: Government 'hampered' independent inquiry