IOC、ジカ熱はリオ五輪開催に影響せずと

リオデジャネイロのマドゥレイラ公園に設置された五輪とブラジルのバドミントン選手たち(5月4日) Image copyright Reuters
Image caption リオ五輪は8月5日開会予定。写真はリオデジャネイロのマドゥレイラ公園に設置された五輪とブラジルのバドミントン選手たち(5月4日)

国際オリンピック委員会(IOC)は、ジカ・ウイルスの影響でリオ五輪の開催を中止したり延期したり、開催地を変更する必要はないとの見解を示した。一方で、IOCのリチャード・バジェット医事部長は、引き続き状況を注視し続けると強調した。カナダの公衆衛生専門家が、大会の延期あるいは開催地変更を求めていることに反応しての発言。

公衆衛生と法律を専門とするカナダ・オタワ大学のアミール・アタラン教授は、五輪開催でブラジルを訪れる人が増えれば、先天異常の赤ちゃんの出生が増えると警告。AP通信に対して、「そうした赤ちゃんが生まれて障害のあるまま一生を過ごすことを防ぐため、大会を遅らせようという温情ある判断を、IOCと世界保健機関(WHO)ができないならば、世界で最も残酷な組織に名を連ねる」と述べ、「治らない障害のある赤ちゃんが生まれないよう、大会開催を少し遅らせてほしいと言っているだけだ」と強調した。

アタラン教授は学術誌「ハーバード・パブリックヘルス・レビュー」への寄稿で、IOCが認める以上にリオデジャネイロでジカ熱の被害は大きく予想外だと指摘。そのため、旅行者ひとりが感染すれば「世界規模の大災害」につながる大感染が始まり得ると警告している。そしてもし五輪がこのまま開催されれば、ジカ熱と戦う手段をブラジルほど備えていないナイジェリアやインド、インドネシアなどの国々にとりわけ不公平だと書いた。

一方でWHOや、WHOの勧告に従っているIOCは、ジカ・ウィルスは8月5日から21日にかけて開かれる大会に影響しないという見方を堅持し、アタラン教授の主張に真っ向から反対している。

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Image caption リオデジャネイロでの防虫作業(1月26日)
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Image caption ブラジルではジカ熱に加えて豚インフルエンザウイルスに起因するH1N1型インフルエンザも流行。写真はH1N1型インフルのワクチン接種を受ける男の子(4月25日)
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Image caption リオデジャネイロの競泳会場

IOCのバジェット医事部長は「WHOは移動や商取引をなんら規制すべきではないと明確にしている。つまり、リオ五輪を中止したり遅らせたり延期したり開催地を変更したりする、正当な理由はないということだ」と表明。「IOCは引き続き状況を注視し続け、WHOとの連携を続ける。専門家の助言のとおり、今後3カ月の間に事態は改善すると確信している」と述べた。

IOCはさらに、ウイルスを媒介する蚊の駆除のため、蚊の発生源となる水たまり対策を実施すると発表。オリンピックとパラリンピックが開かれる8月から9月にかけてはブラジルでは冬季で、蚊はさほど発生しない時期だと念押ししている。

オリンピック時期には海外から観光客約50万人の訪問が見込まれている。

(英語記事 Olympics 2016: IOC insists Games will go ahead despite Zika

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