東京五輪「裏金支払い」報道 IOCは沈黙

東京五輪開催が決まって喜ぶ招致委代表団(2013年9月) Image copyright Getty Images
Image caption 東京五輪開催が決まって喜ぶ招致委代表団(2013年9月)

2020年に予定される東京オリンピックの開催をめぐり、招致委員会側が国際陸上競技連盟(IAAF)のラミン・ディアク前会長の息子が関係する口座に「7ケタ」の金額を支払ったとされる報道について、国際オリンピック委員会(IOC)はコメントを拒否している。

英紙ガーディアンは、ディアク氏が関わるシンガポール企業の口座に招致委が総額130万ユーロ(約1億6000万円)を支払った疑いがあると報じた。

今年3月には、スポーツ界の汚職を捜査するフランス検察が、2016年五輪と2020年五輪の開催地決定手続きについても捜査を着手。ガーディアン紙によると、フランス警察も疑惑に注目している。

報道についてIOCは、「フランス捜査当局がIAAFについて捜査開始した当初から、当局や世界反ドーピング機関(WADA)と連絡を取り合っている」とコメント。「IOCの倫理・コンプライアンス担当は、不適切な行動の疑惑を解消するため関係者全員と今後も連絡を取り続ける。捜査の内容について現時点でこれ以上はいっさいコメントしない」と付け足した。

東京の五輪招致活動の実態が注目されるきっかけとなったのは、WADAの独立委が今年1月に提出した腐敗関連報告書だった。独立委は注記で、ディアク前会長のもうひとりの息子ハリル氏とトルコ・イスタンブール招致委委員の会話内容を詳述。会話記録は、日本の招致委が「ダイアモンド・リーグかIAAFのいずれかに」、「協賛金400万ドル~500万ドルを支払った」と示唆している。

報告書の脚注はさらに、イスタンブールが招致争いで敗れたのは「協賛金を払わずラミン・ディアクの支持を失ったから」だと主張している。

WADA独立委は、この指摘について「自分たちの管轄範囲外」のため内容を調べなかったと説明している。

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の広報担当は、WADA報告書の記述は「我々の理解と異なる」として、東京が五輪招致に名乗りを上げたのは、スポーツの尊厳にかかわる諸問題に日本として誠実に取り組んでいくという姿勢の表明でもあったと説明している。

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Image caption ラミン・ディアク氏は1999年にIAAF会長に就任

ディアク前会長はすでにフランス当局に捜査されていた。ロシア陸連によるドーピングを見逃して賄賂を受け取っていたとされ、汚職と資金洗浄の疑いで昨年逮捕された。IAAFのマーケティング・コンサルタントとして父親に雇われた息子のパパ・マサタ・ディアク容疑者も捜査線上に上り、インターポール(国際刑事警察機構)が指名手配している。

パパ容疑者はIAAFから永久追放されているが、昨年12月にはBBCに対して、自分も父親も無実だと主張していた。

IOCは五輪招致をめぐり1999年ソルトレークシティ大会で組織的な汚職の構造が明るみになって以来、規則を全面的に見直し、信頼を回復していた。

今年2月にはWADA独立委委員長のパウンド元WADA会長(IOC委員、同副会長も歴任)が、IOCに組織的な汚職はないと「ほぼ確信」していると表明。しかしフランス検察はそのわずか1カ月後に、2016年大会と2020年大会の招致手続をめぐり捜査に着手した。

(英語記事 Olympics: IOC refuses to comment on Tokyo 'payment' claim

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