黒人少年射殺の短銃、再度オークションに

ジョージ・ジマーマン氏 Image copyright AP
Image caption ジョージ・ジマーマン氏

2012年2月に米フロリダ州で、道を歩いていた黒人少年を射殺した自警団の男性が、使用した短銃を繰り返しインターネットのオークションに出品している。

17歳の高校生トレイボン・マーティンさんを射殺したジョージ・ジマーマン氏(32)は、翌年に殺人罪で起訴されたが、正当防衛の主張が認められて無実となった。地元サンフォードの警察が当初、ジマーマン氏を逮捕しなかったことから、全米各地で抗議が続いた。警察暴力などに抗議する「Black Lives Matter(黒人の命も大事だ)」という全米市民運動のきっかけにもなった。

ジマーマン氏はこの時の短銃を12日、「Gun Broker」というサイトでオークションに出品。「アメリカのアイコン」と呼び、開始価格を5000ドルで設定していたが、開始直前にページが削除された。その後、「United Gun Group」という別のサイトにあらためて出品。日本時間13日午後4時現在、まだオークションは続いている。

「United Gun Group」はフェイスブックで、ジマーマン氏が「法律を守っている限り、当サイトでの銃器売買は認める」と説明している。

「United Gun Group」を所有するトッド・アンダーウッド氏は、短銃の登録が本物だと確認し、米紙ワシントンポストに対して、「私は支持も反対もしない。ジマーマン氏の物で、彼が決めることだ」と話した。

「Gun Broker」サイトは、短銃を出品したのはジマーマン氏本人で、サイト運営者に事前相談はなかったと説明。「この出品とそれにまつわる世間に注目に関わりたくない」と書いている。

ジマーマン氏は出品にあたって、売り上げを使って「Black Lives Matter」運動に対抗し、大統領を目指す民主党のヒラリー・クリントン氏の選挙戦に対抗すると趣旨を説明した。

トレイボン・マーティンさんの遺族の弁護士はワシントンポストに対して、「自分たちの子供を殺した銃を売りに出すなど、この家族を侮辱する行為だ」と話した。「何を意味するか考えてみてください。子供の命を奪った銃で、金もうけをしようとしている」。

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Image caption ジマーマン氏によると銃は最近、返還された。写真は法廷で凶器を提示する警官(2013年6月)

オークション・サイトでジマーマン氏は、銃は最近になって司法省から返還されたと説明。スミソニアン博物館が購入に興味を示したとも書いているが、博物館は否定声明をだした。

フロリダのテレビ局に対してジマーマン氏は、「自分は自由なアメリカ人だ。自分の持ち物をどうするのも自分の自由だ」と話した。

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Image caption トレイボン・マーティンさん射殺に抗議する集会が全米各地で開かれた。写真はロサンゼルスで

ニューヨーク州選出のハキ―ム・ジェフリース下院議員(民主党)は12日、「トレイボン・マーティンを冷血に殺した男は監獄にいるべきだ。なのに、とんでもない不当裁判の結果から利益を得ようとしている」と批判した。

フロリダの警察は事件から6週間にわたり、ジマーマン氏の正当防衛権は州法が認めているとして逮捕しなかった。このため全米各地で抗議行動が繰り広げられた。

ジマーマン氏の弁護団はマーティンさんが、ジマーマン氏を殴り、地面に頭を叩きつけ、ジマーマン氏の銃に手を伸ばしたと主張。検察側はジマーマン氏が虚偽証言を繰り返したと非難した。

無罪判決の後もジマーマン氏はたびたびニュースに登場している。恋人への暴行容疑で2度逮捕され、不起訴となっている。

(英語記事 Trayvon Martin death: Zimmerman's gun returns to auction