「世界的な対応を」 難民危機で国連

マケドニア国境近くのギリシャではいまだに多くの人が身動き取れずにいる(今年3月、ギリシャ・イドメニで) Image copyright Getty Images
Image caption マケドニア国境近くのギリシャではいまだに多くの人が身動き取れずにいる(今年3月、ギリシャ・イドメニで)

国連難民高等弁務官のフィリッポ・グランディ氏はBBCとのインタビューで、難民は世界全体の問題であり、世界各国が行動を起こすことが求められていると述べた。

グランディ氏は、一部の国に偏っている負担は、より多くの国によって分担されるべきで、「人々を締め出すだけではうまくいかない」と指摘した。

グランディ氏によると、難民2000万人のうち別の国に定住できたのは1%にも満たないという。

現在も、過去に例を見ないペースで戦闘や厳しい生活環境を逃れようとする人々が難民化している。

今年1月に就任したグランディ氏は、シリアからの難民が東アジアやカリブ海諸国にまで到達していることは、難民危機が「いかに世界的な現象であるか」を示しており、「世界的な対応が必要だ」と述べた。

グランディ氏は、「難民を数十万人受け入れている、戦地、紛争地に近いことが多い数カ国と、ドナー国の7、8カ国が、8割から9割の資金を出している」と指摘し、「もっと幅広く、より多くの国で分担されるべきで、そうでなければ不均衡は、条件反射的な反応、閉鎖や拒否を引き起こし、難民を助けるという我々の責務を果たせなくなってしまう」と語った。

同氏は、国内に残る難民を除くと、2000万人の難民のうち他国で定住できた人は20万人以下だと指摘。再定住策が「もっと大胆に推進されるべき」だと述べた。

グランディ氏は、「世界で居住地を失った人々が6000万人に上るだけでなく、加えて経済的な理由などを背景に人々が移動するなかでは、別の種類の投資が必要であり、したがってこれは全体に関係する、という認識が高まっている」と語った。


グランディ氏のインタビューは、移民問題に焦点を当てたBBCによる特別放送に合わせて行われた。このほかにも、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務める女優アンジェリーナ・ジョリー=ピットさんや、英秘密情報部(MI6)のリチャード・ディアラブ元長官が、経済開発や安全保障、人道支援に関する新たな提案について語る。

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Image caption アンジェリーナ・ジョリー=ピットさんが基調講演する

Image caption 世界の主要な移民経路(黄色と水色の地域では国境を越えた移動が比較的自由)

<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。


(英語記事 UN urges global response to refugee crisis

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