オバマ米大統領、ベトナム武器禁輸解除を発表

ハノイで記者会見するオバマ米大統領(23日) Image copyright AP
Image caption ハノイで記者会見するオバマ米大統領(23日)

22日夜からベトナム訪問中のオバマ米大統領は23日、ベトナムへの武器禁輸を完全解除すると発表した。ハノイで記者会見し、「未だに残る冷戦の残滓(ざんし)」を取り除くための措置だと説明した。

1984年に導入された武器禁輸措置は2014年に部分的に解除されたが、ベトナム政府は完全解除を求めていた。米政府は、ベトナムの人権状況改善が解除の条件だと示唆していた。

23日午前にチャン・ダイ・クアン国家主席らベトナム首脳と会談したオバマ氏は、「(武器取引は)今後も人権関連を含む厳しい条件を満たさなくてはならないが、この変化によって、ベトナムは自国防衛に必要な装備を入手できるようになる」と述べた。

ベトナムは南シナ海で中国と領有権をめぐり争っており、2014年にはパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で中国が石油掘削装置(リグ)の設置を強行したことから両国関係が緊迫。両国の漁船同士が衝突し、ベトナムで反中デモが相次いだ。

中国が南シナ海における領有権を主張する一方で、米国は自由航行権を主張するなど、周辺諸国との関係改善に力を入れている。

ただしオバマ氏は、武器禁輸解除は米国の対中政策とは無関係だと述べ、「ベトナムとの関係正常化に向けた長いプロセスを終わらせたいという気持ちから来るものだ」と話した。

オバマ大統領のベトナム訪問は初めて。ベトナム戦争終結から41年目の訪問で、オバマ氏は反体制派と面会するほか、ベトナムも参加する環太平洋経済連携協定(TPP)の推進のため協議するとみられる。

オバマ氏の訪問とは別に、ベトナム当局はBBCのジョナサン・ヘッド記者の記者資格を取り上げた。許可なくインタビューを行ったからというのが理由だが、ヘッド記者は否定している。

オバマ氏は25日夜には日本を訪れ、G7伊勢志摩サミットに出席する。1945年に米国の原爆投下で少なくとも14万人が死亡した広島も訪問する予定。

(英語記事 Barack Obama to lift US arms embargo on Vietnam

この話題についてさらに読む