ルーブル美術館が休業 パリ・セーヌ川洪水の恐れで

パリ市内の橋にあるゾアブ像。1910年の洪水では像の肩まで水位が上昇した Image copyright Reuters
Image caption パリ市内の橋にあるゾアブ像。1910年の洪水では像の肩まで水位が上昇した

欧州各地でここ数日大雨が続き、パリを流れるセーヌ川が増水し洪水の恐れが出ていることから、ルーブル美術館は3日の休業を決めた。

閉館中に職員は洪水が起きた場合の損傷が懸念される美術品を上の階に移すなどの措置を取る。セーヌ川の水面は通常よりも5メートル上昇している。

大雨の被害が各地で発生し、ドイツを中心に少なくとも10人が死亡。今週末にかけて、フランスからウクライナまで欧州大陸中央部の幅広い地域でさらなる降雨が予想されており、降水量は数時間で50ミリに上る地域もあるとみられている。

所々で決壊したセーヌ川沿いには防壁が築かれた。水位は2日夜に最も高くなると予想されている。

ルーブル美術館は、「洪水の影響を受けやすい作品を上の階に移すことで安全を確保する」としている。

オルセー美術館も2日に休業している。

フランスの国有鉄道SNCFは2日、パリ中心部のセーヌ川沿いを走る「RER-C」線の運転を午後4時から停止すると発表した。

Image caption パリ中心部を流れるセーヌ(Seine)川と主要な美術館の位置

パリとフランス中部で約2万5000人が停電の影響を受けている。パリ南郊のヌムールでは3000人が市の中心部から避難した。

ヌムール市内を流れるセーヌ川の支流ロワン川の水位は、甚大な被害をもたらした1910年の洪水以来の高さになっている。

ヌムールのバレリー・ラクルト市長は、「市の中心部は完全に水に覆われている。すべての経済活動は壊滅状態だ」と語った。

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Image caption パリでは防壁が設置され地下鉄が運転停止した
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Image caption パリの南にあるヌムール市で
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Image caption 浸水した店

ヌムールから5キロ離れたモンクール・フロモンビル村に住むグエン・ボンペイさん(18)はBBCに対し、村の一部で洪水が起きていると語った。「停電していて、下水も洪水になっているのでトイレも使えない」。

ボンペイさんは、「私の家はまだ洪水になっていないが、庭に水が入ってきたし、まだ雨が降っている。逃げ遅れる前にここから避難しないと」と語った。

Image caption ヌムール(Nemours)市など被害の大きかった地域

ロワレ県では、1カ月半分の降水が3日間に集中。道が冠水し、自動車を乗り捨てる人も相次いだ。

フランスのオランド大統領は洪水で最も被害が大きい地域に自然災害の被災地指定を行った。これによって非常用資金が支出できるようになる。

大雨災害でドイツでは少なくとも9人が死亡したほか、行方不明者が出ている。

メルケル独首相は、「洪水で救助が間に合わずに命を落とした方々を悼む」と述べた。

南部バイエルン州のジムバッハ・アム・インでは、祖母(78)、母親(56)、娘(28)の女性3人が自宅地下で溺死しているのが発見されたほか、75歳の男性が死亡している。近くの村ユルバッハでは80歳の女性が死亡した。

このほか、今週には4人がドイツ南部で死亡している。

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Image caption 冠水した道路(独バイエルン州で)
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Image caption ドイツでは大雨で少なくとも9人の死者が出ている

ベルギーでも激しい降雨によってアントワープやリンブルフ、リエージュを含む各地で洪水が起きた。

(英語記事 France floods: Louvre to close as Seine rises further

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