マイクロソフト、リンクトインを約2.8兆円で買収へ

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米マイクロソフトは13日、ビジネス向け交流サイト(SNS)を運営するリンクトインを約260億ドル(約2兆7500億円)で買収すると発表した。

マイクロソフトはリンクトイン株を、先週末の終値を50%近く上回る水準の1株196ドルで買い取る。マイクロソフトはリンクトインを傘下に収めることで、ビジネス向け事業や電子メールソフトの販売の拡大を狙っている。

CCSインサイトの調査部門を率いるベン・ウッド氏は、マイクロソフトは今回の買収で、4億3000万人の会員を擁する世界最大のビジネス専門SNSを活用できるようになると指摘した。

ウッド氏は、「(リンクトインは)『オフィス365』『エクスチェンジ』『アウトルック』といったマイクロソフトが持つ多くの事業との連携を図ることができる価値のある財産だ。一方で、マイクロソフトはリンクトインが独立した事業として運営されるとしているので、連携がどのくらい進むのか見てみる必要がある」と述べた。

マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は、以前からリンクトインを非常に好きだったと述べ、買収を「長い間考えていた」と語った。また、「生産性とビジネスのやり方に革命的な変化をもたらすのが我々の大きな野心で、リンクトインはそのために重要な役割を果たす」と付け加えた。

ナデラCEOはさらに、リンクトインの企業文化やブランドを維持するため、通常とは違った形で統合を進めると述べた。「それが今回の買収をとても、とても違うものにしている」と語った。

ナデラ氏は、マイクロソフトはこれまで数多くの買収に成功してきたと述べ、2014年に25億ドルで買収したビデオゲーム「マインクラフト」の制作会社や、資料作成ソフト「パワーポイント」を1987年に1400万ドルで買収したことを例に挙げた。

買収発表を受けて、リンクトイン株は47%上昇し、192.60ドルを付けた。2011年5月にニューヨーク証券取引所に上場したリンクトインの株価は今年に入って40%以上下落していた。

2月には、2015年の純損益が1億6600万ドルの赤字となったことや、第1四半期の業績見通しが予想を下回ったのを嫌気して、同社株は約25%急落した。

タイグレス・フィナンシャル・パートナーズのアナリスト、アイバン・ファインセス氏はリンクトインについて、「2月には期待を裏切ったが、株価のバリュエーションはプレミアムが付くべき、最上級の会社」だと語った。

一方、マイクロソフトの株価は2.6%下落し、50.16ドルで引けた。同社の株価は10%近く下落している。

買収後もリンクトインのジェフ・ワイナーCEOは職に留まる。共同創業者で支配株主のリード・ホフマン会長はワイナー氏と共に買収を支持した。ホフマン会長は、「会員や顧客にとてつもない機会を提供するだろう。新たに一緒になる事業に役立てるのを楽しみにしている」と語った。

リンクトインはメッセージ機能の新たな選択肢やモバイル機器向けアプリの提供、ニュースフィードの刷新で会員の利用をより頻繁にしようとしている。

リンクトインは昨年、会員からの苦情を受けてメッセージ送信の頻度を減らし、より会員が必要とするメッセージを送ると約束した。

今回の買収はマイクロソフトにとって過去最大。同社は2011年にスカイプを85億ドルで買収したほか、2013年にはノキアの携帯電話部門を72億ドルで買収した。

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Image caption 左からリンクトインのワイナーCEO、マイクロソフトのナデラCEO、リンクトインのホフマン会長

テクノロジー大手他社との比較でも、フェイスブックによる対話アプリ「ワッツアップ」の買収額190億ドルを上回る。

マイクロソフトは手元資金約920億ドルを保有しているが、リンクトイン買収の資金は新たな借り入れによって大方を賄う。

マイクロソフトは、買収によって2018年までに年間コストを1億5000万ドル削減できるとしている。買収は米国とカナダ、ブラジル各国の規制当局による承認が必要。

(英語記事 Microsoft to buy LinkedIn for $26bn

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