フィアット・クライスラーが調査へ 米俳優イェルチンさん事故死で

アントン・イェルチンさん(左) Image copyright Paramount
Image caption アントン・イェルチンさん(左)は「スター・トレック」映画3作で「チェコフ」を演じた。右は「キャプテン・カーク」役のクリス・パイン。

映画「スター・トレック」シリーズなどに出演していた米俳優アントン・イェルチンさん(27)が、自家用車と柵の間に挟まれ死亡した事故で、事故車はリコール(無償回収・修理)対称の車種だったことが明らかになった。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)傘下の「FCA US」(旧クライスラー)は20日、事故について調査する方針を示した。

イェルチンさんは自宅前の車寄せで2015年型「ジープ・グランド・チェロキー」から降りたところ、急こう配を後退した車と柵に挟まれて死亡した。

FCA USは今年4月、全米の同車種110万台をリコール。停車して運転手が降りた後に突然動き出す恐れがあるなどが理由で、当時は41件の負傷事故との関連が指摘されていると発表していた。

ジープを傘下に持つFCA USはイェルチンさんの家族や友人たちに「深い哀悼の意」を示し、「この悲しい出来事について徹底的に調査する。現時点で原因について推測するのは時期尚早」とコメントを発表した。

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Image caption 事故車はイェルチンさん宅の車寄せを後退した

ロサンゼルス市警は米CBSニュースに、イェルチンさんは車の変速機を「駐車」状態にしなかったようだと明らかにした。

FCA USは4月に、一部の同社モデルで「駐車」状態にしないまま運転手が降りると安全性に問題があると、米国家道路交通安全局(NHTSA)から指摘を受けたと発表していた。同社は、今年後半までに「本格的な」改善策を見つけたいと話していた。

警察は、イェルチンさんのジープの変速機と死亡事故との間に、関連があったとは結論していない。19日に行われた検死によると、死因は強く圧迫されたことによる窒息死だと検死官事務所は発表した。

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Image caption 「スター・トレック」の公式アカウントは、「チェコフとして知られるアントン・イェルチンの死去を、悲しい思いとともにご報告します」と追悼した

「今日、キミに会えたら」(2011年)、「Green Room」(2015年)などの映画にも出演していたイェルチンさんは、「スター・トレック」(2009年)と「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(2013年)に出演。1960年代のテレビ・シリーズでウォルター・ケーニッグさんが演じて有名となった「パベル・チェコフ」役を演じ、米英などで来月公開予定の新作「スター・トレック ビヨンド」にも出演している。

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Image caption イェルチンさんと「スター・トレック」の共演者たち。写真は2010年撮影。

ソ連時代のレニングラード(現サンクトペテルブルク)で1989年3月、プロ・フィギュアスケート選手の両親の一人っ子として生まれた。イェルチンさんが生後半年の時に一家はアメリカに移住。両親はフィギュアスケートのコーチや振付師として活躍し、イェルチンさんは9歳から映画やテレビドラマなどに出演。映画「アルファ・ドッグ」(2006年)で注目を集めた。

英紙ガーディアンの映画評論家ピーター・ブラッドショーさんは追悼記事で、「とてつもない才能と可能性を供えた、人気者でとても好かれていた俳優の命がいきなり絶たれてしまった。なんてもったいないことだ」と書いた。

オンライン映画データベース「IMDB」によると、「スター・トレック ビヨンド」のほかに新作映画4作が今後公開予定。

(英語記事 Anton Yelchin death: Fiat Chrysler probe after Star Trek actor killed by his car

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