岸田外相、日中関係「著しく悪化している」 尖閣諸島めぐり

岸田文雄外相。写真8月3日、官邸を訪れた外相。 Image copyright AFP
Image caption 岸田文雄外相。写真8月3日、官邸を訪れた外相。

中国公船が東シナ海で領有権が問題になっている尖閣諸島の魚釣島沖に中国公船が繰り返し入った問題で、日本の岸田文雄外相は9日、「日中関係をめぐる状況は著しく悪化している」と警告した。外務省に程永華・駐日中国大使を呼び出し、「日本領海への侵入」について抗議した。

外務省によると、岸田外相は程大使に「日中関係をめぐる状況は著しく悪化していると言わざるを得ない」と告げ、「一方的に現場の緊張を高める行動をとっていることは断じて受け入れられず、あらためて強く抗議する」と述べた。さらに、「事態の収束には、中国側が一刻も早く公船を引き揚げさせ、誰の目にも明らかなように現場の状況を改善させるしかない」と伝えたという。

日中が領有権を争う尖閣諸島の付近で今月5日、約230隻の中国漁船や中国海警局の船が航行した。

日本の海上保安庁は8日、尖閣諸島の近くで13隻ほどの中国海警局の船が確認されたと発表した。一部の船は武器とみられる装備を備えていたという。

外務省は、中国に5日以降、度重なる抗議を続けたと説明している。

外相の抗議に対して程大使は会談後、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国固有の領土であり、中国の船舶が活動を行うのは当然と説明した」と記者団に述べた。大使はさらに両国が対話を継続するよう求め、問題の海域に中国海警局の船が増えているのは、現場で増える中国漁船を監督するためだと説明したと、AP通信は伝えている。

Image caption 尖閣諸島の位置。赤と青の実践は中国と日本がそれぞれ設定する防空識別圏。点線は排他的経済水域。

7月には南シナ海に対する中国の領有権主張や人工島の建設などが国際法に違反するとして、フィリピンが中国を相手に提訴した裁判で、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が中国の主張に法的根拠がないと判断を示した。

Image caption 南シナ海で中国が主張する領有権。赤線は中国が独自に主張する境界線「9段線」。

中国は当初、常設仲裁裁判所の判断を認めないと反発。その後は、法廷外での和解交渉に応じる用意があるとフィリピンに働きかけている。

9日には、フィリピンのドゥテルテ新大統領が南シナ海問題担当特使に指名したラモス元大統領が、中国側の関係者と接触するため香港を訪れていた。

(英語記事 Japan says ties with China 'deteriorating' over disputed islands

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