ホロコースト描くスケート演技に批判 プーチン氏報道官の妻

タチアナ・ナフカさんは、ホロコーストをテーマにした演技の写真をインスタグラムに投稿した。 Image copyright Instagram / tatiana_navka
Image caption トリノ五輪のアイスダンス金メダリスト、タチアナ・ナフカさんは現在、プーチン氏報道官の妻。ホロコーストをテーマにした演技の写真を、インスタグラムに投稿した。

トリノ五輪のアイスダンス金メダリストでプロスケーターのタチアナ・ナフカさんが26日、ロシアのテレビ番組でホロコーストをテーマにした演技を披露し、批判されている。ナフカさんは、ウラジーミル・プーチン大統領の報道官、ドミートリィ・ペスコフ氏の妻。

ナフカさんは、リアリティ番組「アイス・エージ」に、ハイユウアンドレイ・ブルコフスキーさんと出演。ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺)をテーマに、強制収容所の囚人服を模した衣装で踊った。白黒の縦縞に、ナチスがユダヤ人に着用を強制した黄色い「ダビデの星」をつけ、偽の囚人番号も付いていた。

演技の中には、2人が観客に笑顔を見せながら、お互いを撃ち合う仕草も含まれていた。

ナフカさんは、強制収容所を舞台にした1997年映画「ライフ・イズ・ビューティフル」に着想を得たダンスだと説明。映画のテーマ曲「Beautiful that Way」に合わせて演技した。

複数の演技写真をインスタグラムに投稿したナフカさんは、「大好きな映画『ライフ・イズ・ビューティフル』をもとにした、大好きな演技のひとつです。映画を子供たちに見せて!」、「子供たちは、あのひどい時代を忘れてはなりません。神様のご意志のもと、子供たちは自分たちでは決して経験することがありませんように」と書いた。

「アイス・エージ」は、スターが出場してダンスを披露する英国の「ダンシング・オン・アイス」や米国の「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」に似た有名人コンテスト番組。ロシア政府が運営するチャンネル・ワンが放送する。

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Image caption 赤の広場のリンク開場初日にポーズするナフカさんと夫のドミートリィ・ペスコフ大統領報道官(2015年11月)

一方で、インスタグラムでは複数の利用者が嫌悪感を示し、演技は鈍感で恥知らずだと非難した。

「激しく無知で不快だ! 罪もなく殺された600万人を侮辱し、生存者の解放に協力したロシア人にも恥をもたらす」という批判や、「これがいかに病んでるか、言葉にできない」という非難が書き込まれた。

ユダヤ系の米国人コメディアン、サラ・シルバーマンさんはツイッターで演技のビデオを共有し、「わあホロコーストの被害者おもしろねえ(なんてこと、なんてこと、なんてこと、なんてこと)」と投稿。

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Image caption サラ・シルバーマンさんのツイート

イスラエル紙エルサレム・ポストによると、ロシア・テレビは今年4月にも、ナチスをテーマにしたダンスを放送。ピアノの後ろに隠れたユダヤ人女性をナチス将校が発見し、射殺する代わりに、フランク・シナトラが歌う「私を月まで連れてって」に合わせて踊り始めるが、最後には女性がいきなりどこからか撃たれて死に、ナチス将校役の男性が叫びながら空に向かって銃を撃ち続けて終わる、という演技の内容だったという。

ナチス・ドイツの強制収容所では、ユダヤ人600万人のほかに、ソ連軍捕虜も14万人~50万人が虐殺されている。

(英語記事 Putin spokesman's wife in row over Holocaust TV skating routine

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